子どもたちの「がれき処理が進んでいない」という声

  3月になりました。311一周年はもうすぐ。そんな中、こういうニュースを読みました。ここまでやるか…という感じ。「どうして助けてくれないのですか?」と子どもが訴えれば、心優しい一般の市民は、そりゃ、ぐさっとくるでしょう。でも、平野復興相は、広域処理が進まないので「ぐさっ」と来たわけ。
 

 被災中学生に迫られ…平野復興相「胸にグサッ」


  読売新聞 2月25()1947分配信


 東日本大震災で被災した宮城、岩手両県の小中学生6人が25日、東京赤坂の復興庁を訪れ、3項目からなる復興への意見書を平野復興相に手渡した。6人は公益社団法人「セーブチルドレンジャパン」が組織した「子どもまちづくりクラブ」のメンバー。意見書は高校生も交えてまとめた。中学生の1人は平野氏に対し、「がれき処理が進んでいない。国は本当に復興するつもりがあるのですか」と迫る一幕もあった平野氏は「胸にぐさっと来た」と述べ、提言の検討を約束した。この後、記者団に「子どもに意見を言ってもらう場をまず宮城、岩手両県で作りたい」と語った。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120225-00000542-yom-pol
  「がれきを広域処理して下さい」という子どもたちの訴えを、「だめなものはだめ」と拒否するのは勇気がいります。瓦礫受け入れに反対すると、「子どもを守れない非国民だ」みたいなレッテルもまちかまえているでしょうから、これは子どもを利用した一種のプロパガンダです。子どもに罪はないけれど。
 でもね、まちがえないでほしい。
 がれき受け入れ反対派のほとんどは、東北の被災地の人々を喜んで受け入れたいと思っているはず。まともな感性を持つ市民なら、誰だって、除染をくりかえしたり、汚染を全国拡散するために巨額の税金をつぎ込むくらいなら、被災者を区や村単位で受け入れられるような制度をつくり、自立までの間、完全に面倒をみるべきだと思っています。そのためにも、汚染を拡散してはいけない。
 くりかえすけれど、現実的な解決法は、フクイチ付近に集め、遮断型施設をつくり、各地にたまり続けている高線量の廃棄物を一時保管するしかありません。廃棄物焼却そのものも段階的に停止しないと、やがて日本ではチェルノブイリを軽く超える放射線障害が現れるでしょう。それでも政府は「原発とは無関係」と言い張るはずだから、市民の方が勉強し、知恵をつけなければなりません。2012.3.1
 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/