中央道土砂崩れ、県の責任

 このあたりは「核融合研究所」問題で何回か通ったことがありますが、窯業が多い地域なので、ほかにも類似の事例があるかもしれません。

 

瑞浪の土砂崩れ:「40年前から汚泥投棄」会社が県に説明

2017.8.23毎日新聞

 岐阜県瑞浪市の中央自動車道で走行中の7台を巻き込み6人が重軽傷を負った土砂崩れで、崩落現場に窯業原料を投棄していた窯業原材料メーカー「丸釜釜戸陶料」(瑞浪市)が県の立ち入り検査に対し、「1977年から規格外品を投棄していた」と説明していることが22日分かった。県廃棄物対策課によると、同社は第3工場ができた77年から、現場脇の斜面上方に投棄するようになったと説明。同社幹部は「敷地内に採石場の跡地があり、(投棄するのに)ちょうどよかった。先々代の時から投棄している。規格外品を少量ずつ置いた」と話したという。現経営陣が就任した10年前から毎月約3トンを投棄し、製造工程改良で規格外品が以前ほど出なくなった2年前に投棄をやめたとしている。

 県は22日、前日に引き続き、同社第3工場を立ち入り検査した。同社を巡っては2012年にも、第3工場から漏れ出したシリカ溶液を川に流出させる事故を起こしていた。当時、県から水質汚濁防止法に基づき厳重注意を受けた。県環境管理課によると、機械故障が原因で、川は白く濁り、現場からシリカ溶液3トンを回収した。また、瑞浪市の水野光二市長は22日の定例記者会見で、同社に対して補償請求を検討していることを明らかにした。市によると、窯業原料入りの袋が川に落下して下流に流れ、市街地が浸水した。床上浸水1棟のほか、18軒に泥水が流入し、旅館のボイラーに影響が出た。水野市長は「市として厳正に対処したい」と述べた。【岡正勝、小林哲夫】中央道土砂崩れ、40年前から汚泥投棄

 産業廃棄物に関する権限(許認可や管理、報告など)は都道府県にあることはよく知られています。でも、その県にほんとうに管理・監視能力があるかといえば、ほぼゼロです。それを示すのがこの事件。この企業はたぶん、PRTR法の対象事業者のはず。それに水質汚濁防止法違反の前歴があったとしたら、それこそ「厳重監視」が必要だと思うんですけどね。ところが、実際は、「厳重注意」だけですませ、汚泥の違法投棄も発見できなかった・・・これは岐阜県の「無能」を現しています。だいたいこの県、徹底して企業・業者に甘く、住民には冷たい。だから、企業は「どうせ見逃してくれる」と思っているのか、平気でウソをつく。それは、この記事の前日の報道を見るとわかります。

 

中央道土砂崩れ:斜面の窯業原料流出 工場、10年埋める

 2017.8.22 岐阜県瑞浪市の中央自動車道で18日夜に発生して走行中の7台を巻き込み6人が重軽傷を負った土砂崩れで、岐阜県は21日、現場脇の斜面上方に工場を持つ窯業原材料メーカー「丸釜釜戸陶料」(瑞浪市)を廃棄物処理法に基づいて立ち入り検査し、同社が斜面に山積みしていた不要な窯業原料が高速道路上に崩れ落ちたと判断した。大雨で流出したとみられる。県によると、同社は10年前から所有地内に規格外の窯業原料を投棄していたと認めた。県は崩落物について、同社が不適正な状態で長期間保管していた産業廃棄物の汚泥と認定した。近くの川にも流れ込んでおり、白濁など生活環境保全上の支障を生じさせたとして29日までにシートで覆うなど流出防止の応急措置を講じるよう措置命令を出した。

毎日新聞 中央自動車道に土砂が流入し、車4台が巻き込まれた現場=岐阜県瑞浪市で2017年8…

 同社は産廃処分場としての許可を得ておらず、県は引き続き調査を進める。県警も捜査を始め、同社関係者から事情を聴いている。中央道の道路上や脇の斜面のえぐれた箇所では、白い粘土質の土砂や樹脂製の袋が多く見つかり、県は立ち入り検査に乗り出した。県によると、斜面をL字形に削り取った採石場の跡地に、同社は、粘土やけい石の粉砕物などで構成する窯業原料のうち規格外のものを容量1トンの袋に入れるなどして、幅19メートル、奥行き30メートル、高さ数メートルにわたって置いていた。同社幹部は県に対し「窯業原料のうち、製造過程で出る取引価値のないものを過去10年間埋めた」と話したという。登記簿によると、工場下の斜面など一帯は同社か同社役員が所有している。土砂崩れは瑞浪市釜戸町で18日午後9時半ごろに発生した。県警によると、上り線を最大で高さ約1・5メートル、幅約60メートルにわたって崩落物が覆い、流出量は計約700立方メートル。恵那インターチェンジ(IC)-瑞浪IC間の上下線が約34時間、通行止めとなった。また18日夜以降、現場から約500メートル南の市街地に濁水が流れ込み、1棟が床上浸水、2棟が床下浸水し、車1台が立ち往生した。県は、近くを流れる御湯川にも窯業原料入りの袋が落下し、一部をせき止めたり下流に流れたりしたため、市街地が浸水したとみている。県は19日、周辺環境への影響を確認するため、採取した川の水や流出物を分析したところ、重金属類などはいずれも基準値以下(速報値)だった。瑞浪市は美濃焼の産地として知られ、陶土が産出し窯業が盛ん。【岡正勝、小林哲夫、駒木智一】中央道土砂崩れ、窯業原料10年埋める 

 

  22日時点では、埋めていたのは「10年」、それが翌日には「40年」となったのは、警察の捜査が入ったからでしょう。そして、この時点で、すでに廃棄物処理法違反がほとんど明らかだったのに、県はそのことを発表していません。なぜ? それはもちろん、40年間の「おめこぼし」の責任が県にかかってくるから、そして同業者が多いこの地域で、ほかにも同様の例があることが十分予想できるからです。だから、この県も思い切り「調査」に時間をかけ、人事異動のころを狙ってアバウトな調査報告書を出し、うやむや解決に持ち込むつもりかも。県は行政組織の中でも特に無能だし(へりくつはいくらでもいう)、とことん無責任であるということを住民はよくが知っておかないとね。そうそう、県が直接廃棄物処理の事業を行う(事業センターなどを設立して)というのは最悪。米子の産廃事業を許してはいけません。2017.8.25

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/