奇形の花と那須塩原

  留守の間に、重要なニュースがたくさん入っていました。それも悪いニュースばかり。
「宿題」もどっさりあるし、とても全部はカバーできませんが、少しずつお伝えしていきます。まずはこれ↓。フクイチ事故は終わってなどいません。

 @san_kaidoさん投稿の奇形のデージーの写真はネット上で有名になっているそうですが、ツイッターをやらない私は海外ニュースで知りました。
 ネット上で多くの植物の奇形の写真を見たのは、2011年、2012年でしたが、この写真は今年のもの、しかも撮影地の那須塩原は原発から120キロメートルも離れています。また、この那須塩原は、放射能ブルームが流れ込んでホットスポットを形成していることは、行政ではなく、民間人がくりかえし訴えていました。数時間で年間被爆許容値(!)をオーバーするような高線量地帯が出現していたことは、今もユーチューブで見ることができます。

8.62μSv/h 那須塩原 関谷小学校 通学路のホコリ 2012年9月

https://www.youtube.com/watch?v=l9QiMgLRZSQ
2012年9月30日 栃木県 那須塩原市 の 関谷小学校 の校門の前 で放射線量を測定した。空間(胸の高さ)の値は0.36マイクロシーベルト毎時。 校門の前を流れる水路に溜まった泥の上で6.80、通学路の歩道脇にたまったホコリの­上で8.62マイクロシーベルト毎時だった…

 しかし政府や行政は動かず。学校のグラウンド表土を入れ替え、個人の住宅を「除染」して終わりとし、小学生や住民が高濃度汚染地を行き来するままにしていたのです。学校敷地内の高線量地点が問題化したのは、このユーチューブ投稿の一年後。すでにフクイチから二年半が経過していました。


東京新聞:小中学校に高線量地点 栃木・那須地域:福島原発事故

2013年9月12日 福島県境に接し、放射能汚染状況の重点調査地域に指定されている栃木県北部の那須地域では、最優先で除染されるはずの小中学校でも、局所的に空間
放射線量が依然高いことが、住民の調査で分かった。住宅の除染に追われ、学校は限定的にしかできなかったためだ。福島第一原発事故から二年半。地元自治体
はようやく、学校での除染を本格化する。(石井紀代美) 
 東京電力福島第一原発から約百キロ南西にある那須塩原市。自治会組織「関谷・下田野地区未来を考える会」は、地元の市立関谷小学校で今年五月、グラウンド以外の学校敷地内の線量を、学校側の了承を得て測った。グラウンド周辺の芝生、校庭を囲む土手、倉庫や鉄棒、ウサギ小屋周辺など四十カ所の線量(地表五十センチ)は平均毎時〇・四七マイクロシーベルト
で、国基準(同〇・二三マイクロシーベルト)を大きく上回った。最高値は倉庫の雨どい付近で同一・一八マイクロシーベルト。地表面では同一〇・六〇マイク
ロシーベルトに達した。同校は指摘を受け、雨どいの周囲を立ち入り禁止にしたが、鬼ごっこや隠れんぼで、入ってしまう児童もいる。


この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/