ミネアポリス事件ー殺人指示

 前記事、白昼の殺人(ミネアポリス) (06/03)にはたくさん反響をいただきました。ありがとうございます。

 その中で多かったのが「これはニセ旗作戦だ」との指摘でした。

「ニセ旗」ではなく、「殺人指令」

 でも、「ニセ旗作戦」とは、何らかの目的のために、実行者が身分を偽って(なりすまして)行う秘密の軍事行動のこと。例えば、香港での「民主派のデモ」は、CIAやNEDなどの資金を背景にした傭兵たちのニセ旗作戦であり、中国に混乱を起こすのが目的です。でも、ミネアポリスの件では、加害者は警官という身分を隠しておらず、衆人環視の中で公然と犯罪を犯している…これは公然の故意殺人であり、ニセ旗ではありません。…むしろ「許可された殺人」というべきで、その意味を込めて、前記事では「公開処刑」と書きました。

 そんなことがあり得るか?と思う人もいるでしょう。

 あり得ます。なぜならアメリカはまぎれもない「警察国家」であり、それ以上に、「戦争中毒症」「テロ中毒症」の国家だから。これまでだって、要人や政治家の暗殺はくりかえされてきたし、大統領だって暗殺のターゲットになってきたのは私たちがよく知るところ。一般市民も、国の組織的な殺人の犠牲になっており、警官の暴行・不祥事による死者は年間1000人以上との報告もあるほどです。ちなみに国外ではその犠牲者の数は百万から数千万規模。たとえば、イラクだけでも2003年~18年の間に240万人が殺されていますが、これは裏付けがある数字で、実数はそれを軽く上回るでしょう(参考:“The Iraq Death Toll 15 Years After the U.S. Invasion”

 「アメリカの属国」の日本では、メディアは決してアメリカの不利になる情報は伝えないため、私たちも宗主国のそんな異常で暴虐な部分を直視しようとしないだけです。実際は、911以来、警官の「武装化」が進み、白人優越主義のトランプ以来、黒人やヒスパニックに対する差別意識が高まったこと、コロナ禁足令なども今回の公開処刑ー暴動の背景にあります。

 

狙いは暴動を起こさせること

 でも、警官がどんなに暴行や拷問に慣れていても、普通はそれをおおっぴらにやることはありません。それが犯罪だということは、彼らだってよく知っているからです。しかし、今回の事件では、警官グループはわざわざ適度な人通りと監視カメラがある場所を選び、衆人環視の中、しかも撮影されているのを百も承知で殺しを実行した…それも、役割分担で。また加害警官と被害者のフロイド氏は同じ警備員仲間だったとの情報もいただきましたが、それが事実なら、フロイド氏は抵抗しなかったはず。こうして、市民の面前で無抵抗の市民が警官に殺されるという、ショッキングな画像が全世界に流れることになりました。

 これに市民が怒るのは当然です。その結果、全米各地で警官の暴動に抗議するデモや反対運動が起きました。フロイド氏が生まれたヒューストンでは6万規模のデモ。それがやがて略奪や暴動に発展するのも当然の流れでした。なぜなら、「コロナ封鎖令」によって、アメリカでは約4千万人の労働者が職を失い、政府の支援が薄いため、多くの市民が飢えているからです。それでなくても、アメリカは世界の先進国の中でももっとも多い貧困層を抱えていました。

 一方のトランプは、これを待っていたというように、最初から、この「暴動」を武力で押しつぶすという姿勢を見せました。こうして「強い大統領」をイメージづけて、選挙に勝利するつもりなのです。以下は前記事のトランプのセリフ;

 「抗議デモを制圧しなければならない。時間をむだにするな。デモ参加者になめられ君たちは愚か者に見られてしまう」

 一般市民に対する同情心などゼロ、あるのは選挙の秒読みだけ。…彼は先の選挙でも、一部はヒスパニックの入国を阻止し(EUでは移民問題が大きな社会論争になっていた)、メキシコとの間に壁を作るなどを主張する戦略で勝利を得ています。今回は、「コロナ騒動」での失敗(患者数の増大、推薦する薬剤が否定されるなど)から、自分の得意な「人種問題」を解決するのが次期大統領への近道だと考えているのは間違いありません。それは彼が「連邦軍派遣」という禁じ手に訴えたことを見てもわかります。

 

連邦軍派遣はアメリカ憲法違反

 トランプは、事件の数日後、暴動鎮圧のために大統領権限で連邦軍を派遣すると宣言し、実際にいくつかの都市に州兵(連邦組織)を送り込んでいます。しかし、アメリカの連邦軍を国内に派遣するには、1800代に制定された「反乱法」を発動させる必要があります。この法律では大統領の連邦軍派遣を「例外的」なものとして制限しているため、トランプ政権としては、各地で起きている暴動を「内乱」と認定し、その都市が属している州の知事との「合意」が最低条件です。でも、そんな合意について触れた日本語の記事は見当たらず、その条件がクリアされたかどうかは不明。いずれにしても、トランプのチームはこの行動のコンプライアンスについて早くから準備していたことは確かです。

 なお、各地に派遣された州兵は、市民を催涙ガスやゴム弾で蹴散らし、抵抗している人に発砲していると伝えられています(すでに13名が抗議活動の中で殺され、9000名以上が逮捕されている)。これは海外侵略した米軍がよく使う手で、地元の反対グループなどを「圧倒的多数の軍隊」で押しつぶし、可及的速やかに暴動を鎮圧しようという手法。つまり、アメリカで起きている抗議行動は、今や「反乱軍」と見なされ、武力鎮圧の対象になっているわけです。つまり、トランプの言動を見る限り、彼はフロイド氏事件を自分の選挙選に目いっぱい利用していることは明らかで、私はフロイド氏(誰でもよかった)の公開処刑は大統領側近から出た命令だった可能性が高いと考えています。

 ちなみに、私がもっとも不気味だと思ったのは、加害警官の顔には「業務を遂行中」という表情しかなかったという点…もし本当にフロイド氏が彼の「仲間」だったのなら、これほど無表情ではありえない。そこで、感じたのは、彼が事前にマインドコントロールを受けていたのではないかということでした。彼は、かけつけた救急隊の一人から肩に手をかけられて、初めてはっと気づいたようにフロイド氏の首から膝を離しますが、フロイド氏はすでに何分も動かない状態だったのです...ワクチンもマインドコントロールも、真っ先に実地使用されるのは軍隊か警察。そんな立場を、一部の警察は自覚しているようで、地域によっては、市民の前で「ひざまづく」という謝罪行動に出ているところもありますが、それで済む話じゃない。

 人種差別や警察の暴動に対する反対運動は、アメリカやNWOに対する反対運動として世界に拡大中。おそらくアメリカ人の一部は、「立ち上がらないとやられる」と感じていることでしょう。

2020.6.8

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/