GM導入にノー:パブコメ出しました

(6月19日に送信しましたが、締め切りは21日までなのであなたも出してみて。それにしても、やってはいけないことばかりやってる政府なんて不要です。)
遺伝子組換えセイヨウナタネ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集について


 


今回、農水省は、モンサント、シンジェンタ、ダウケミカル各社の遺伝子組換え農作物の使用を認めようとしているが、GM作物は農業に壊滅的な打撃をもたらすのみならず、動物や人への悪影響がすでに指摘されており、国民の命を守る行政として、その導入を全力で阻止すべきだ。


 


 まず、審査の過程が事業者に不利益をもたらすとして非公開とされているが、一部墨塗りの証拠には、証拠としての価値などないし、市民は果たして適正な審査が行われたかどうか判断できない。また、この情報非公開は、企業の利益擁護を、市民の健康と環境の保護に優先させるもので、納税者としてとうてい納得できない。


 


 次に、この秘密審査の結果、「生物多様性へ影響がある可能性はない」としたのは、現実も海外の動向も知らない「学識経験者」の無責任な誤った結論である。たとえば、今、世界の農業を戦慄させているミツバチの大量死は、農薬やGMOのせいではないかと疑う声は多く、多くの国、地域、NGOが、野放図なGMOの拡大を抑えようと必死になっている。同じような事態が他の生物にも起こりかねないからで、学者なら、自然界に人工異物を持ち込む危険性に敏感であらねばならない。


 


 また、カルタヘナ法、標準手順書の第一種使用規程さえ遵守すれば、環境(野生動物)への影響はないとする学者、農水省の姿勢も誤っている。たとえば2006年、アメリカで生産された米が、バイエルのGMライスに汚染されていたことがわかり、EUが厳密な検査を要求するという事件がおきている(このGMライスは安全性確認調査さえされておらず、その後、バイエルに対する農民の集団訴訟が起こされている)。


 その後、「GMO種の拡散はコントロールできない」との米の政府関係者の言葉が伝えられたが、これは、特定の農作物を「封じ込め栽培」できるなどというのは、「神話」であって、神話にもとづく使用承認は決して安全性の保障にはならない。


 


 次に、GM食品を食用又は飼料用に使用することについて意見を述べる。GM食品の食品飼料使用は危険であり、全面的に中止すべきだ(したがって、前段階の栽培も中止すべきだ)。


 その理由の一つとして、GM食品の安全性を示す研究結果がほとんど存在しないことがあげられる。なお、開発企業お抱えの学者の研究リポートはこの限りではない。


 次に、これまで発表されているGM食品に関する動物実験では、多くが、GM食品が肝臓、腎臓、すい臓、生殖器官などに有毒な作用をもたらしていることを認める結果となっている。中には、血液や生物化学特性、免疫系を改変させるとの指摘、あるいは、遺伝子組み換えGHの使用によって、がんの引き金になるIGF – 1(インシュリン類似成長因子)が増加するとの指摘もある。


 


 いずれもGM食品の潜在的危険性を物語るもので、食品として摂取する場合、個別審査ではなく、必ず、複合的反応を考慮しなければならない。これに関しては、特定の器官を解剖し、組織内に蓄積された毒物を同定するなどの方法があろう。


 


 GM問題は、海外では多くの訴訟が起こされ、市民の抵抗も大きく、逮捕者が出るなどしている。一方、日本ではこの問題の深刻さを知る市民はごく一部で、パブコメにも限界がある。一方、GM食品の危険性を訴える研究論文は山のようにあり、関係者は、まず真摯にこれらの研究成果のレビューを行うべきだ。そうしない限り、とうてい適正な審査とはいえない。


 


 日本人はこれから先、放射能で汚染された食物を摂取し続けなければならず、この上、人工の危険な物質を押し付けられてはたまらない。米の種子化学産業に、はっきりと「ノー」を伝えるべきだ。

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/