そういえば、医薬業界は、レントゲンや放射線治療など、原発と切っても切れない仲でした。輸血製剤にも放射線が照射されています。これは血液提供者のリンパ球などが受血者の 全身組織を攻撃する「輸血後GVHD」という疾患を予防するためだとか・・・ほんとかねえ。そのせいか、採血基準には放射能レベルなんて項目はありません。311後、人類は汚染レベルの放射能にさらされているというのに、それを全く考慮せず採血を続けているって、こわいなあ。
とにかく、従来の医薬産業界は日本の原発べったりから離れられないようなシステムができています。その「システム」が最もうまく機能するのは、カネ集めの分野。少し前に、献血にからむこんなニュース↓があったのをご存知でしょうか。
橋下市長、日赤へ協力中止 「公金外、不適切だ」
2012年5月22日 08時44分 読売新聞
大阪市が、日本赤十字社(本社:東京)から委託されている活動資金募集業務について、「8月以降、取りやめる」と日赤側に通知したことがわかった。橋下徹市長が「資金集めに市役所が協力すべきでない」と指示したため。災害救援や献血など公共性の高い事業を実施する日赤の資金集めを、自治体側が拒否するのは異例。日赤側は「資金が十分集まらない可能性もある」と懸念している。日赤はほとんどの市町村に地方組織の事務を委託している。
大阪市でも1952年以降、助役・副市長が日赤の地区本部長、各区長が地区長などの委嘱を受けてきたが、7月末で一斉に辞任するという。資金募集は5月の赤十字運動月間を中心に行われ、地域住民でつくる赤十字奉仕団が集めた資金を各区役所で集約。大阪市全体では毎年2億6000万円~2億8000万円を集めて日赤側に送っている。しかし、市の不正経理を追及してきた市民グループ「見張り番」(松浦米子代表)が今年3月、橋下市長との面談で、▽過去の市長選で助役出身候補を支援した自治会組織「市地域振興会(地振)」の役員が赤十字奉仕団の役員を兼務▽日赤の地区事業費が地区長を務める区長の口座に振り込まれ、一部が地振の事業に使われている―などを指摘。その上で、「市職員が事務を担当するのはおかしい」と批判した。橋下市長はこれを受け、「公金でない現金を公務員が扱うことは不適切だ」と見直しを指示していた。http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120522-OYT1T00187.htm
何と素晴らしい。血液だけじゃなく、行政組織を通じて寄付を集め、それを一部にリベートとして返し、地域の事業にも使っていたのか…。赤十字の寄付金は、自治会費などに上乗せされているから、半強制徴収。ほとんどの日本人がそれと気づかず払っているけど、小額だから気にもされず、見逃されてきたのでしょう。でも、普通の企業・団体が同じことをやれば、贈収賄・癒着・汚職が問われます。 ところで赤十字の寄付総額を知ろうと思って調べたけれど、同社HPには見あたりません。同じような疑問は他にも多いけど、回答はない模様。代わりにこんなニュースを発見しました。
東日本大震災で寄せられた義援金、総額3485億円…海外からは175億円超
2012/02/25(土) 00:02:51.56
東日本大震災の被災者支援のため、日本赤十字社と中央共同募金会など4団体に寄せられた義援金が、総額3485億円に上ることが24日、わかった。厚生労働省によると、99.4%の3466億円が15都道県に送金され、2857億円が各市町村を通じて被災者に配られた。義援金の配分方法は各自治体が決定しているため、金額にばらつきがある。岩手県の場合、県独自の義援金を加算したうえで、世帯主に対し、死者・行方不明者1人につき152万円、住宅は全壊152万円、半壊92万円余りを支給した。昨年10月以降の義援金は各世帯や個人だけではなく、震災孤児や遺児の支援などにも充てられている。一方、海外からは133の国と地域、国際機関から義援金や支援物資などが寄せられた。外務省によると、大半は各国の赤十字社を通じて届けられ、集計できた分だけで93の国と地域、国際機関から175億円以上が集まった。このほかに民間団体や個人からの支援も多く寄せられているという。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120224/trd12022422370024-n1.htm
団体ごとの内訳を書いていないのは、一種のタブーだからかも。そして、この義捐金が、本当に被災者に届いたのかどうかも不明(自己申告は問題外)。それにしても、自治会や区長会がこういう形で行政機構に取り込まれているのに要注意。「がれき」が狙うのも、この前近代的組織だから、その解体は急務です。2012.6.1
献血と寄付、赤十字と行政
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/