「帰れ!」コールで終わった横須賀対話集会(1/20)

 昨夜の「対話」集会、東京新聞はこう↓伝えています。「反発が続出した」?…まあ、まちがいじゃないけど、具体的にはどうだったでしょう。
がれき受け入れ 県民ら「反対」も知事理解求める 横須賀対話集会に300人

2012121
 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20120121/CK2012012102000044.html
 (前略)冒頭、黒岩知事が焼却灰の埋め立ての方法について説明。続いて、岩手県環境生活部の工藤孝男部長が、処理できたがれきはいまだ全体の4%である現状を話し、「このままでは新しい街づくりができず、被災者の心の元気も出ない」と訴えた。
 県民との質疑応答では、知事の他に、前川和彦
・東大名誉教授や環境省職員らも回答者として登壇。県民からは「焼却した場合、放射性物質の濃度は濃縮されて危険が高くなるのでは」「安全基準も、うそばかりの原発政策の中では信じられない」「国に対して別の方法で処理することを求めてほしい」などと反発が続出した。黒岩知事は十五日にも、埋め立て予定地周辺の地元住民を対象に説明会を開いたが、強い反対が相次いだ。 
 会場にはその筋の企業関係者、情報やさん、行政マンも大勢来ていました。こういう人、わかるんですよねえ、匂いで(笑)。でも、始まると15日の再現でした。知事は前回より慣れていたし、ビデオもちゃんと音声が出ましたが、説得力を持たせるために壇上にずらりと並べた来賓が、かえって住民の怒りをかったのです。
 前川センセイに対しては「御用学者!」「お前はヤマシタと同じだ」などの声が飛び、環境省に対しては「責任をとれ」「うそつき!」……政財官ぐるみの原発「隠蔽」に、がまんを重ねている市民が、初めてその怒りを発散させ、事実を述べた、たというわけです。
 でも、この日の彼らの回答もウソが多く、そこをあばきたくて私も挙手しましたが、私がいた方はほとんど指名なし。司会のプロ?は、明らかに県から指示を受けていたようで、主に女性を指名していました。前回の県職員では、市民に押されがちだったので、プロに換えたのでしょう。
 会場には手話通訳と、すべての発言をその場で音声認識し、文字変換してスクリーンに大写しするシステムが入れてあり、サーベイランスに敏感な私を不安にさせました。その「音声記録」が、どこにどう保管されるのか、定めはないのではないかと思ったからです。当日会場にいらしたみなさん、ぜひ県に、(この記録をもとに)当日の様子を早く公開するよう、その後、記録は破棄するよう、求めて下さい。以下は私の印象に残った発言です。いずれも、知事がまともに答えられなかった質問ばかり。
 〇私はあなたに投票したんですよ。それを今、本当に後悔しています。
 〇この件(事業)にかかるお金の流れを説明して下さい。陸前高田では、ガレキの現地処理をしたいと言ったら、一蹴されたという話も聞きました。
 〇なぜそこまで「広域」にこだわるのか? なぜ広域なのか? なぜ処理期間が3年なのか?
 〇東北振興とか言っているが、あなたは本当は自分のことだけ考えて、市民のことなんか考えていないんです! うっかりすれば、日本国じゅうがひどいことになるのに。あなたは知事を辞めて下さい!
 最後の発言には大拍手が鳴り止まず、これがきっかけで、あちこちから「知事、やめろ」「帰れ!」「リコールだ!」の声が起き、やがて会場全体に「帰れ」コールが広がって、知事は最後の挨拶もできないまま閉会になったのでした。でも、知事は、1月30日の対話集会が終わったら「次の段階」に行く、と表明しているから、30日はもっと大勢の市民の参加を!計画に反対を! 2012.1.21

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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