アビガン情報の続き。この危険な不妊薬の使用に「待った」がかかりました。
アビガン特例承認は法令上できず 安倍首相「私も言ったが…」
安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス治療薬の有力候補とされる国産の新型インフルエンザ薬「アビガン」に「特例承認」を適用できないことについて、「政府内でも相当議論してきた。『(新型インフル薬として)日本で承認されているのだから(適用できるのではないか)』と私も言ったが、日本の法令上できない」と説明した。公明党の斉藤鉄夫幹事長の質問に答えた。政府は、米製薬会社がエボラ出血熱の治療目的で開発した「レムデシビル」について特例承認を適用し、国内最初の新型コロナ治療薬として利用可能にする方針だ。首相は「特例承認はいくつか要件があるが、海外ですでに承認されたものについて、日本で行うことができる」と指摘した。そのうえで、アビガンについて「企業治験もスタートしている。観察、臨床研究が進んでいる中で、中間評価的なことができないか今議論してもらっている」と説明。また、特例承認されなくても、患者自身が希望し、病院の倫理委員会で認められれば使用できることを強調した。
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政府はアビガンの製造承認を強行するのではと考えていましたが、厚労省あたりの抵抗にあったのでしょう。そうでなければ米からストップ要請があったのかも。
「厚労省の抵抗」というのは、薬害大国の担当省庁として訴訟に負けた経験も多いし、すでに生殖異常を起こすことが明らかなアビガンをーーどこからかの圧力でーー違法承認してしまったのを自覚しているはずだから。当然、実際に使うのはまずいという判断くらいは働くでしょう。また「米の要請」というのは、山本は「今回の」コロナの特効薬はギリアドの「レムデでシビル」で決まり。WHOの連帯治験プロジェクトに出ている他の薬は、公平さを印象付けるためのダミーと見ているからです。ま~、政治的な駆け引きだからまだまだ波乱もあるでしょうが。
しかし、日本の政治屋には「法による統治」なんて頭にない。安部も「法令上できない」と言いつつ、一方で「未承認でも、患者が同意すれば打てる」なんてとんでもないことを言っている。おそらく医薬産業界からそういえと言われているのでしょうが、それはコンプライアンス違反、違法行為、反社会的行為だということを、だれか教えてあげてよ。
なお、アビガンについては、やはり医薬産業界の代理政治屋である黒岩神奈川県知事が早くから動いていました。
神奈川県、新型コロナに対するアビガン使用の認容や協力を政府に要望
以下、県の公文書新型コロナウイルス治療薬に関する緊急要望 本県では – 神奈川県から。マーカー、強調山本。
新型コロナウイルス治療薬に関する緊急要望
本県では、1月15日国内初の感染者が確認された後、2月13日には新型コロナウイルス感染者の国内初の死亡が確認され、感染が拡大した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」への対応を求められる中、感染経路が判明しない感染も広がり、県民の不安は増大し、切迫した状況に直面している。
県では、ヘルスケア・ニューフロンティアの取組みの一環として、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の枠組みの中で革新的医薬品の開発を振興する中、富士フイルムグループのファビピラビル、商標名アビガン(以下、「アビガン」)の開発や海外展開を支援してきた。アビガンは、抗インフルエンザ薬として開発されたもので、平成26年3月、国から医薬品として承認を受け、国において備蓄をしている。今回の新型コロナウイルスに関しても、中国において臨床試験が行われ、患者に投与し、HIVの治療薬との比較試験でも明らかに優位かつ早期の改善効果が得られたとの情報に接している。こうした状況を踏まえ、本県として下記の事項を国に強く要請するものである。
1県が行う人道的見地からの投与(コンパッショネートユース)の認容とプロトコル作成等の支援
すでに多くの方々が感染し入院して、効果的な治療法がない中、苦しんでいることから、県としていのちを守ることを最優先するために、アビガンについて人道的見地から患者に投与する、いわゆるコンパッショネートユースを県内で治療にあたっている41の医療機関(2月21日時点)で行いたいと考えております。そこで国としてこれを認容するとともに次の支援を行っていただきたい。
○コンパッショネートユースのためのプロトコルの作成について
アビガンの投与についてはウイルス感染症等の治療に関する専門的な知識が必要であることから、これを県内医療機関で実際に投与するにあたり、そのプロトコルの作成にご協力いただきたい。
○アビガンの使用について
アビガンは、他の抗インフルエンザ薬が効かない等の緊急時に限った使用に限定されており、国内では一般に流通していないため、この使用に関してご協力いただきたい。
2治験・臨床研究の早期開始、早期承認
同ウイルスに感染し苦しむ多くの方々の治療のために、国として直ちにアビガンの治験・臨床研究を開始し、迅速な承認に向けた取組みを進めていただきたい。その際には可能な限り対象医療機関を拡大していただきたい(神奈川県では41医療機関に患者が入院している)。
3感染した場合重篤化する可能性の高い方々(ハイリスク群)、医療従事者等に対する予防内服としての投与の開始
県民・国民の感染に対する不安を解消するため、更なる感染拡大に対する防止策が急務であり、同ウイルスに感染した際に重篤化する可能性が高い方々や医療に従事する方々を守るための対策として、これらの方々に対するアビガンの予防内服としての投与を早急に開始していただきたい。
令和2年2月21日
…行政機関として正式な申し入れです。この早い時点で動いたのは、あわよくばダイヤモンドプリンセス号の乗客に使おうとしていたからでしょう。そのためにクルーズ船を「ウイルス培養船」にしたのかも…
黒岩知事は医薬産業界代弁人として、異常な熱意でヘルスケアに取り組み、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」を指定してきたのですが、まさかそこで国・業界とともに不妊剤の開発に力を入れてきたとは。
「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の枠組みの中で革新的医薬品の開発を振興する中、富士フイルムグループのファビピラビル、商標名アビガン(以下、「アビガン」)の開発や海外展開を支援してきた」
ただでさえ、個別の企業に対する支援は「癒着」がつきもの。さらに特定の「革新的薬剤」開発に税金を使っていたとは問題が大きい。また、「海外展開」が何を意味するか書かれていませんが、おそらく国内では得られなかったであろう治験者を、インドやアフリカなどで調達する役割を果たしたと思われます。アビガンの効果を知っていれば、それは犯罪としか言えません。
本来なら、患者に危険が及ぶことを阻止するのが行政の役割なのに、黒岩は、不妊効果が明らかなアビガンを広め、医療従事者などには「予防投与」しろとまで言っている。県庁には黒岩の暴走を止められる人材はいないのか!
2020.4.29