作り出された「健康危機」

怪しいWHOの新型肺炎「エピデミック宣言」

 1月30日、WHOは、コロナウイルス肺炎に対し「公衆衛生上の国際的緊急事態」を宣言しました。

 でも、その理由について、WHOのTedros Adhanom Ghebreyesus事務局長は妙なことを言っています。

宣言を出したのは中国ではなく、他の国で起きているからだ。われわれは衛生管理システムが脆弱な他の国(中国以外)にウイルスが広がる可能性を最も懸念している

 ん~、その時点で「他の国」における感染者はたかだか150人ほど。死者ゼロ。死亡率も2.1%と低く(武漢市以外の中国国内でさえ1%以下)、これで「国際的緊急事態」を宣言するにはかなり無理がある、それどころかきわめて怪しい。

 なぜなら、国際機関がこんな「宣言」を出せば、各国の市民に恐怖と疑心暗鬼を植え付け、それに乗じて医薬産業界が暗躍し、公衆衛生上の無政府状態になってしまうのが目に見えているからです。

 しかも、WHOにはすでに前科がある。

 それが前記事でも触れた「2009年のH1N1インフルエンザ騒動」です。

WHOは医薬産業界のマウスピース

 2009年6月、WHO事務局長のマーガレット・チャン(当時)は次のように述べています。

「専門家の評価、科学的基準に基づき、インフルエンザのパンデミック警報をレベル5からレベル6に引き上げることを決めた。世界は今、2009年インフルエンザパンデミックが始まった段階にある」

 Margaret Chan, Director-General, World Health Organization (WHO), Press Briefing  11 June 2009)

 警報レベル6はその病気が「パンデミック(世界的流行)にあることを示しています。当時、病気の実態も原因も何もわかっておらず、一方的な警報レベル引き上げには多くの疑問が呈されましたが、チャン氏はすべてを無視。

 そしてその翌月には、彼女はさらに過激で、露骨な発言をしています。

 「今後二年間で、世界の20億人の人々ー世界人口の約3分の1-がH1N1ウイルスに感染すると考えられる」

 「ベストなシナリオによると、ワクチンメーカーは年間49億回分のパンデミック用インフルワクチンを生産することができる

 ,Margaret Chan, Director-General, World Health Organization (WHO), quoted by Reuters, 21 July 2009)

 おいおい~~ エピデミック宣言時にワクチン製造の準備が整っていたということは、ワクチン流通に合わせて「宣言」が行われたと解釈した方が自然です。だって、企業が、「未知の」新型ウイルスに対して、何十億ショットものワクチン製造工程を用意しておくというのは常識では考えられず、事実上も不可能だからです。

医薬産業界とメディアは一体

 アメリカでは、メディアが先頭に立ってH1N1の危険と予防の必要性(=ワクチン接種)をあおり続けました。状況はどの国でも同じですが、これは医薬産業界がメディアの大スポンサーであることと無関係ではありません。結局、金は支配の工具なのだ。

 そのアメリカでは、何の根拠もないようなあおり記事が報道され続けました。

 「今後二年間で、豚インフルエンザはアメリカ人の40パーセントを襲い、ワクチンやその他の対策が間に合わなければ何万人もの死ぬだろう」(オバマ政権の公的声明、AP,2009年7月24日)

 「アメリカでは十月中には1億6千万回分のワクチンが確保できると見込まれている」(Associated Press, 23 July 2009)

 ちなみに、人々に医薬品を受け入れさせ、病院に向かわせるためによく使われるのは、「ワクチンを打ちましょう」ではなく、薬品不足戦略です。「ワクチンが足りない!」で危機感をあおるわけ。

「作り出された健康危機」は誰のため?

 でもH1N1パンデミックは起きなかった。医薬品は大量に余った。そして、H1N1ウイルスは、インフルエンザウイルスの常としてその後、変異したため、ワクチンは無用の長物になり、大量に破棄された。でも、一部は何も知らない途上国に売りつけられた可能性もあります・・・まさに医薬犯罪。

 つまり、国際機関に「作り出された健康危機」は、実証もされないまま一人歩きし始め、各国の健康当局は続々と関連医薬品の購入を決め、その結果、GSK、ノバルティス、メルク、サノフイ、ファイザーなど巨大ワクチンメーカーに巨大な利益をもたらしたのです。その一方、安全性不明のまま接種されたワクチンによって、多くの被害者が生まれたのですが、それに目を向ける人はほとんどいません。

 WHOが今また同じ過ちをくり返している理由は、グローバル医薬産業界が国際機関だけでなく、各国の健康関連システム及びメディアをすっかり私物化しているから、そして、一般市民がそのことを知らないからです。それを証明するように、WHOに続いて米CDCも「新型肺炎 公衆衛生上の緊急事態を宣言 米国」しています。しかも米は、入国禁止や強制隔離などの方針を打ち出しているから、今後、ワクチンが売り出されると、まちがいなく強制接種にすることでしょう。

他にも色々あるけど、今日はこのへんで。2020.2.02

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/