カリフォルニア州、ワクチンの「医学的免除」はく奪

 このところ、ワクチン関係のニュースをあまりアップしていませんが、これは決してニュースがないというわけではなく、気が滅入るようなニュースばかり入ってくるからです。

 たとえば、アメリカ・カリフォルニア州では、大勢の反対の声にもかかわらず、SB 276の改正案が通過しました。これまでは、医師が「医学的見地から、ワクチンを打たなくてもいい」と認めればワクチンが免除されていましたが、今後は「すべての子どもがワクチンを接種すること」となってしまったのです。そう、たとえ、ワクチンが原因でアナフィラキシーショックを起こしたことがある子どもさえ。

 カリフォルニア州におけるこれまでのワクチンをとりまく情勢ですが;

 2012年、ワクチン接種証明のない子どもは学校に行けないと定めたAssembly Bill 2109が通過。同州は、ワクチンポリスに見張られているような状況になりました。

 2016年、例の「ディズニーランドはしか」騒ぎをきっかけに、Senate Bill 27が成立し、市民の自由はさらに制限されることになりました。この法律でそれまでの「信仰及び思想の自由」を理由としたワクチン免除が否定されたためです。ディズニーランドはしかの感染者の半分以上がワクチン接種済みでしたが、そのことは無視され、とにかく「全員接種」の体制作りが進められたのです。

 そして2019年の今年、リチャード・パン議員はさらにSB 276を提案。これは、最後に残っていた医師による「医学的見地からのワクチン免除」をなくしてしまったのです(今後はその求めがあれば行政が判断する)。考えられない悪質な法律ですが、すでに民主党議員すべてが賛成票を投じていて(共和党議員はすべて反対)、もはや挽回不可能な状態でした。

 しかし議会ビルに大勢の反対の家族が押し寄せたため、議長は形ばかりの「ヒアリング」を許したのです。 

 SB 276 の抗議集会でワクチン被害者に語り掛けるR・ケネディJr.

 反対集会に集まった人々のほとんどは、ワクチンによる被害を被った子どもたちの親でした(子どもの参加も多かったようです)。彼らは他の子どもたちが同じような苦境に陥らないことを願い、「選択の自由」を求めたのですが、その声は通りませんでした。すでに医療機関にも手が回っていて、多くの医療機関は親の求めに応じようとせず、「医学的免除」が得られない状況になっていたようです。そして、この日の集会参加にも「逮捕される」との脅しが流された模様。

 ワクチン接種は医療行為。医療を受けるのは個人の自由のはずですが、アメリカでは、今やその自由は否定されています。そのターゲットになっているカリフォルニア州は、住むのに非常に危険な地域になりました。特に小さいお子さんを抱えて渡航を考えている人たちは、状況をきちんと把握しておくべきでしょうね。2019.9.14

(参考)Protests and Near-Arrests in Assembly Appropriations …

https://californiaglobe.com/section-2/protests-and-near…このページを翻訳 2019/09/02 ·

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/