プラスチックに沈むマレーシア

前記事の続き。この四月、米CNNが「プラスチックに沈むマレーシア」と題して現地を取材、動画を発表していました。CNNではもう見られませんが、ユーチューブには残っていました。短いのでぜひ見て下さい。(2019/04/18 ·3:46)


Malaysia drowning in plastic – YouTube

 同じようなことはインドでも中国でも起きています。これらの国々がごみ受け入れを拒否した今、ごみはさらに貧しい国々を襲い、「プラスチックの海」はその国の自然と人を窒息させるでしょう。

 これが、いわゆる「リサイクル」の末路です。

 今のような「自由競争」の「消費社会では、環境的に適正な「再利用」「リサイクル」などありえません。「ごみゼロ」だって絵空事です。その理由は、どんな商品も製品も野放しで生産できるから。廃棄後のことが何一つ考慮されていないから。そして、そのつけが回るのは、皮肉なことに人跡まれな土地なのです。下は英ガーディアンが発表したガラパゴス諸島の状況。

Plastic in paradise: the battle for the Galápagos Islands' …

(パラダイスのプラスチック:ガラパゴス諸島の未来への戦い)

https://www.youtube.com/watch?v=aS8IBxi2xJE 2019/04/03 11;56
 ガラパゴスでは、ボランティアが毎日クリーニングしても、風が変わるとすぐにプラスチックが押し寄せ、海岸はプラスチックまみれに。その海岸で鳥はひなを孵し、イグアナはプラ袋を食べ、ウミガメはプラを首にまきつけ…そして、微小になったプラスチック(マイクロプラスチック)はあらゆるものに入り込み、食べ物や水、大気を汚染しているのです。
 「買わない、使わない」だけでは問題は解決できません。「プラスチックの海は陸から、そして「生産段階」から始まっているのだから、市民としてはメーカーや政府に強い規制を求めるところから始めなければならないでしょう。2019.5.31

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/