オランダの裁判所が出したびっくり判決(温暖化訴訟)

 ビッグニュースです。オランダの裁判所が、政府に対し、市民の健康を守るために、5年以内にCO2排出を25%カットするよう命令を出したとのこと。原文はここ↓。
Dutch government ordered to cut carbon emissions in landmark ruling
http://www.theguardian.com/environment/2015/jun/24/dutch-government-ordered-cut-carbon-emissions-landmark-ruling 24 June 2015

 これは、世界初の「気候変動訴訟」に関し、ハーグの裁判所が出した決定です。下は大喜びする原告の市民たち。裁判費用も政府もち。原告は886人、コメントも700以上。


 なんと3人の裁判官は、現状の気候変動の深刻さに鑑み、オランダ政府の削減計画は2020年までに1990年レベルの14~17%というのは違法だと採決したそうで、そこまで踏み込むのかと驚かされました。いや~日本の裁判官に聞かせてやりたいー!
 訴訟を提訴した住民グループ、URGENDAの弁護士は「これまで、政府は条約で決めてきたことを守っていればよかったが、実際は市民に対しても法的な義務を負っていることを裁判所が初めて採決したのです。(オランダ政府は)パリの気象会議(IPCCC?)で、その削減方法を示さなければなりません。そうしないと、裁判所から司法権にもとづく圧力があるでしょうから」

 ふ~、先進国はやはり司法がまともなのね。
 そしてこの裁判は、「人権と不法行為法」にもとづいて起こされたんだとか。おそらく行政の違法行為を訴える法律なんでしょう。日本にもこういうのがあればいいのに。

 「気候変動問題への解決は、オランダ一国だけの努力では達成できないということを、国は隠してはいけない。いかなる排出削減も危険な気候変動の防止に寄与するし、先進国として、オランダはその面でリードしなければならない」

 政府は上告するかどうか決めていないようですが、そりゃあ産業界は裏でプッシュするでしょう。環境大臣は「政府の戦略はEUの国際協定を実行すること、目的は我々もURGENDAも同じで、やり方が違うだけなんだ」というようなことを述べています。
  日本では気候変動」は昔の話題になりつつありますが、EUでは、大気汚染とともに非常にホットな話題。何よりもCO2は汚染物質と考えられています。感心したのはここ↓

「法的議論は、他の国を汚染するに至る排出を禁じること、そして、未知だが、潜在的リスクをもたらす可能性がある行為を禁じるというEUの予防原則の原理に基づいていた」

 この原理でいけば、ごみ焼却炉は建設できないことになります。
 おそらく、この動きは各国にも広がるでしょう。日本以外。日本では「循環型社会」が「ごみ全量焼却」を意味することさえ知らない人が多いので。2015.6.26

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/