「ワクチン拒否」NHKの報道の仕方

 NHKが新たにワクチン接種を促すプロパガンダ番組を流したとの情報が入りました。見ると、朝の忙しい時間帯に、ワクチンに対して危機感がない人々を対象にした洗脳作戦。下にその中身の一部(強調ママ、マーカー山本)と解説(山本)をつけました。

はしか ワクチン拒否の実態

2019527日(月)https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2019/05/0527.html

「今、日本で極めて強い感染力を持つ『はしか』が広がっています。感染者は現在の時点で486人、過去10年で最悪のペースで増加していて、厚生労働省は警戒を呼びかけています。実はこのはしかは、アメリカをはじめ、世界各国でも流行しています。通常、はしかを予防する『ワクチン』は、生後12か月に1回、4歳から6歳の間に1回の接種が行われていますが、これほど流行が広がっている原因のひとつとして指摘されているのが『ワクチン』の接種を拒否する人たちの運動です。一体、何が起きているのでしょうか」

 「一体、何が起きているのでしょうか」たって、過去数十年にわたるはしかワクチン(日本ではMR,その他の国々はMMR)の失敗で、野生ではないワクチン起源のはしか種が流行し、ワクチン接種者が感染を広げているだけなのです(だから全世界的現象になっている)。その事実を隠すために、ワクチン接種を回避しようとしている人々のせいにしようというのが、医薬産業界の魂胆。

なお、ワクチン起源はしかを含め、ここで書いていることについては、大量の論文が存在し、専門家が長年にわたって指摘していることばかりです・・・とにかく、出だしからひどい。

 

ワクチンの誤情報 ソーシャルメディアで拡散

「はしかの流行が起きているニューヨーク州の議会前では、ワクチンの接種を拒否する人たちが集会を開いています。」

「(安全性を)検証しろ!」

アメリカでは、すべての州で公立学校に通う子どもたちにワクチンの接種が求められています。しかし「子どもには、もうワクチンを接種させません」「ワクチンの接種は安全ではありません」訴えているのは、ワクチンの危険性です。ところが、実はその主張のほとんどが、ソーシャルメディアで拡散した誤った情報なのです。(中略)

 おかしな記事ですね~。なぜ「はしかが流行している」地域でワクチン忌避者が集会を開いたのか、その理由、そして主催者を書かないと、報道が公正とは言えません。なのに記事は、最初からその(集会に集まった人々の)主張は「誤情報」と決めつけている。・・・この姿勢が最後まで続くから、NHKの方が誤情報。

 こうした情報は、なぜ簡単に信じられてしまうのか。専門家は、危険をあおる過激な情報ほど、不安を抱える親の心に響きやすいと指摘します。例えばイギリスの医師が発表したこの論文。はしかなどの混合ワクチンが自閉症の原因だと指摘しました。しかし後に、論文のデータがねつ造されていたことが判明します。

 あのね、「危険をあおる過激な情報」とは、「ワクチンを打たないと命にかかわる」などの表現を言うのです。業界は、ワクチンの安全性の証明を求めている市民の声に応えられないから、彼らを非難し、黙らせようとしているわけ。また、「イギリスの医師」とはアンドリュー・ウェークフィールド氏のことで、私は当該論文を読んでいますが、彼は「混合ワクチンが自閉症の原因だ」などと指摘していません。「論文のデータ捏造」とは何を指しているのか不明ですが、彼の共著者はこの指摘を裁判に訴え、勝訴しています。いわば彼らの潔白は裁判で証明されているから、NHKの「ねつ造」報道は不適正。いまだにウェークフィールド氏を悪者扱いしているのは、業界の意図を受けてのことと言われても仕方ないでしょう・・・受信料を取りながら、ウソ情報を流すな、NHK。

 それでも、一度広がってしまった情報は、今も、親の恐怖心をあおり続けています。さらに、専門家は、ワクチン拒否運動は、政治や科学への不信感も増幅させているといいます。ベイラー医科大学 ピーター・ホッテズ教授「反ワクチン運動が発しているメッセージは、政府を信用するな”“政府は製薬会社と手を組んで有毒なワクチンを押しつけようとしているというもの。その結果、全国の親たちがワクチンに疑問を持つようになっています」

 こういう問題で海外の研究者の名前を出して権威づけするのは、業界がよく使う手ですが、この「ホッテズ教授」とは、医師でありワクチンの開発者、ワクチン懐疑派を敵視する発言を繰り返している悪名高い人物。ワクチン被害など決して認めず、被害を訴える親を徹底的に叩き、ワクチン懐疑派やその団体を「ヘイトグループ」と決めつけて、その「抹殺(=snuff out)」を主張していますが、NHKが彼の言動を把握して取り上げているとしたら、かなり問題です。(参考:https://www.youtube.com/watch?v=DD-_VfQOIaY ・・・すさまじい内容です。英語だけど)

 

ワクチン拒否の動き 政治的対立にも

 ワクチン拒否の動きは、政治的な対立にも発展しています。ワシントン州では、公立学校に通う子どもに対し、健康上の理由がある場合を除き、ワクチンの接種を事実上、義務づける法案が出されました。これをめぐり、ワクチンを打たない自由を優先するのか、感染症の流行を防ぐための「公共の健康」を優先するのかという議論が起きたのです。激しい議論の結果、「公共の健康」を支持する側がかろうじて上回り、法案は可決されました。ワシントン州知事「われわれの健康を保つのは、恐怖ではなく、科学と真実です。」ポール・ハリス議員「これは政治問題にすべきではありません、公衆衛生の問題です。感染症に関しては、個人の自由より地域の安全のほうが勝るのです。」

 ここも的外れ。ワクチン政策はもともと「政治」なのです。多額の公費がつぎこまれ、ましてやそれを義務接種しようというからには、市民がその政策に文句をつけ、ノーを言うのは当然の権利です。でも業界はそんな議論に踏み込まれたくない。そこで政治屋を使って「科学」だの「公衆衛生の問題」だなどと逃げている。科学の問題なら、安全性や有効性を示すデータを出せばいいのに、それができないので(それを示すデータが存在しない)、とにかく「懐疑派」を叩き潰す戦略です。それにしても、「個人の自由より地域の安全の方が勝る」って、ン十年前の主戦論の主張と似ていませんか?・・・ワクチンは市民をターゲットにした戦争であることを思えば、メディアは再び戦争をあおっている(=主戦論一色に染め上げ、反対意見は許さない)わけで。

 

ワクチンの誤情報 日本でも…

日本でも、「ワクチンは危険だ」という誤った情報を信じる人が増えています。2歳と6か月の2人の子を持つ父親です。去年(2018年)、2人目を妊娠中の妻から突然、子どもにワクチンを接種したくないと言われました。(中略)妻の考えが変わりはじめたのは、ある医師が発信している医療情報に触れたことでした。ワクチンと自閉症に関係がないことや、ワクチンの成分が安全であるとの理由が丁寧に解説されていました何が信頼できる情報なのか、夫婦でともに考えるうちに妻の不安も和らぎ、子どもたちの予防接種を再開できたといいます。情報を発信した、アメリカの研究機関で働く医師、峰宗太郎さんです。アメリカ国立衛生研究所 峰宗太郎フェロー「正しい情報をしっかり伝えることと、不安を取り除ける情報提供がいちばん大事。」

 まず、「ワクチンは危険」というのは誤った情報ではありません。また、「ある医師」とは、CDCと並ぶワクチンの牙城、NIHに所属している(?)ようですが、その「丁寧な解説」を見て、吹き出しちゃいました。というか、市民を馬鹿にしている。たとえば「ゼラチン…煮凝りですね。おいしく食べられる安全なものです」など、話になりません。彼が言う「不安を取り除ける情報」とは、「安全だ~安全だ~」というお題目でしかなく、それこそ科学性などまったくありません。

どう立ち向かう ワクチン拒否の誤情報

・・・副作用の話はどうしても避けられませんが、はしかをはじめとした感染症は、命にかかわるケースもあります。ソーシャルメディアの情報に頼らず、不安や疑問があれば、かかりつけの医師などの専門家に直接話を聞くことが大事だと思います。さらに行政や医療機関も、ワクチンの効果について正確な情報をもっと積極的に発信していく必要があると思います。」

 ワクチン情報の最後に「副作用」は避けられない、と付け加えていますが、これは「ワクチンは安全」という記事全体の趣旨に矛盾する。なので、その矛盾を打ち消すために「感染症は命にかかわる」と述べているのですが。それなら、はしかで過去十年、何人が死んだのか書いたら?そしてMRワクチンで何人が死亡し、ワクチン被害にあったか書いたら?メディアとして報道すべきことには何も触れず、正確な情報(官と業界のワクチン安全論)だけを信じろというのは、日本のメディアお得意の「大本営報道」の拡散と同じです。・・・この一本の報道で、私はNHKの解体を要求したい。2019.6.8

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/