「クリーンな電力」「電力の安定供給」「自然に優しい」などと、ウソ八百を並べて推進されている再エネ。でも、北海道の全土ブラックアウトをきっかけに、メディアもようやく、「再エネが増えると停電も増える」ことを報道し始めました。・・・というか、現実が先行したため報道せざるを得なくなったのです。
国内初の太陽光発電停止=需給保ち大規模停電回避-九電
2018/10/13 11:52時事通信社
九州電力は13日、太陽光発電の事業者に対し、発電の一時停止を求める「出力制御」を実施した。電力の供給が需要を上回り、需給バランスが崩れて大規模停電に陥る事態を回避するための措置。停止要請は離島を除き国内初。九電によると、制御するのは午前9時から午後4時までの7時間の予定。九州地方では晴天が広がり太陽光の発電量が急増すると見込まれており、九電が同日午前に発表した最新の需給見通しによると、余剰電力がピークに近い午後1時の供給力予想は1293万キロワットに上る。一方、土曜日で工場などの稼働が少なく、業務用や空調用の電力需要は減少する。九電は午後1時の総需要を1250万キロワットと予想しており、制御しない場合は43万キロワットが余剰となる。
風発に比べ、小資本でも設置でき、設備も簡単なソーラー発電は、田舎の土地持ちや都会の投資家の関心を集め、日本全土に、ゴキブリのように急速拡大し、今も拡大中。事業を認定するのは経産省で、環境省の権限は及ばず、地元自治体も事業に注文をつけることはほとんどないため、その拡大はきわめて暴力的です。その結果、ソーラーは森林や田畑を侵食し、崖を削り、山を崩していますが、それだけでなく、再エネが増えると電力網全体に負の影響が及ぶことは初めからわかっていました。
ひとつは停電。間欠的にしか電力を供給しない再エネが電力系統に入ると、電力の需給調整が非常に難しくなります。ソーラーの場合は、天気予報などである読むことができても、風発の場合、風向・風力の予測なぞできず、突風や突然の無風状態など、人知の及ぶところではないので、風発銀座ではどこも北海道のブラックアウトのような事態になることが考えられるのです。
もうひとつは送電線の整備が追い付かないこと。既存の送電設備では、新たにできた再エネ発電所の電気を受け止める能力はないため、今後、大規模な送電線建設工事が必要となります。でも、その工事自体、大規模な自然破壊をもたらしますが、これまた「再エネ事業」の一環として、規制はないか、あっても非常にゆるい可能性が高い。
さらに、廃棄物の問題。特に沿岸部や洋上の風発の場合、施設の塩化・劣化が早く、その処理を誰が負担するかについて、何も考えられていません。私には風発もソーラーも巨大なゴミにしか見えない。
また、再エネの出力抑制に踏み切るのは給電だけではありません。
四国電の電力供給、太陽光が一時6割超 来春に出力抑制も
2017/5/25 7:01 https://www.nikkei.com/article/DGXLZO16808220U7A520C1LA0000/
四国電力の佐伯勇人社長は24日の記者会見で、四国内の事業者らから買い取る太陽光発電の導入量が1年後に現在より40万キロワット多い約250万キロワットになるとの見通しを示した。需要の少ない今年4月には太陽光発電の最大出力が一時、需要の6割強に達した。火力抑制などで需給バランスを保ったが、調整余地が乏しくなっている。さらに増える来年には出力制御に踏み切る可能性もある。
しかも、経産省は、おそるおそるソーラーの買取価格を半分に下げるという方針を打ち出しています。
太陽光発電、買い取り価格半減へ 経産省方針
2018/9/11 1:31 日本経済新聞 電子版
経済産業省は事業者や家庭から買い取る太陽光発電の価格を大きく下げる。1キロワット時あたりの買い取り価格を事業用は2022年度、家庭用は25年度にも半額にする目標を掲げる。太陽光発電はコストの一部を消費者が負担している。膨らむ負担を抑えるため、コストの抑制を促す。同省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を見直す。安価な電力を調達する「入札」の対象を2千キロワット以上のメガソーラー…
海外でも、個人住宅のソーラー施設への補助金を打ち切るよう運動も起きているから、再エネの小規模事業が淘汰されるのは時間の問題。「ソーラー投資」を考えている人が周りにいたら、ぜひ思いとどまるよう伝えてあげて下さい。なお、私は、FIT法は電気事業法に違反している(安定した電力供給義務を果たしていない)ことから、見直しでなく、廃止すべきと考えます。世界的にはやがて廃止の方向に向かうでしょう。それにしても、メガソーラーならいいというのは、経産省と業界の腐れ縁を反映していますね。2018.10.25
難しくし、本ブ