私が住む鎌倉市には、午後2時過ぎ、台風12号に伴う大雨警報が発令されました。暴風・波浪警報も発せられていて、近くの森の木々がわさわさ揺れています。ウチにはTVがないのでラジオを入れたら、アナウンサーが重々しい口調で「これまでの経験則が役に立たないことが想定されます」と・・・つまり、気象庁始まって以来の初のケースだといっているわけ。
そして、遅ればせながら、メディアも「異常なコース」であることを報道し始めました。
こんな経路は初めて 台風12号、本州を西へ横断か
https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/27/taifu-12go-route_a_23491263/ –
気象庁は27日、強い台風12号は28日夜~29日未明、東海地方から西日本に上陸する見込みだと発表した。両日は東日本から西日本にかけて大雨と暴風、高潮の恐れがあり、警戒を呼びかけている。台風12号は本州付近を東から西へ横断する見通しで、記録が残る1951年以降、初めての経路。日本の東付近にあった寒冷低気圧が西へ台風を運ぶ働きをするほか、大陸側から張りだしたチベット高気圧が台風の北上を妨げるなど、複数の要因が重なったためという。台風が西進する場合、通常の東進とは逆に、通過した後の地域では南から湿った空気が流れ込んで大気が不安定な状態になりやすくなる。気象庁の担当者は「台風が通過した後に大雨が降るなど、これまでの経験が通用しない場合がある」としている・・・
これまでだって似たような気圧配置はあったでしょうが、それでも、台風は、地球の自転と偏西風の影響で西から東へ抜けます。11号はそうやってさっさと東海上に去って行った。でも12号は、かなり長いこと同じ場所に停滞し、さんざん水蒸気(南海上の暖かい湿った空気)を供給され、さらに発達して、東の寒冷低気圧と西の高気圧の間を縫って「逆コース台風」とするよう操作されていたのか、というのが私の感想。
でも、気象庁の発表には「異常コース」も「逆走型台風」とも書いてないもんね。
平成30年7月28日 本文 気象庁台風情報
http://www.jma.go.jp/jma/press/1807/28a/kaisetsu2018072811.pdf
・強い台風第12号は、28日10時現在、八丈島の東の海上を北北西に進んでいます。今後、台風は、次第に西よりに進路をかえて、28日夜遅くから29日未明にかけて強い勢力を維持したまま、東海地方から紀伊半島に上陸する見込みです。台風はその後、西日本を減速しながら西へ進み、30日夜には東シナ海に達する見込みです。
・台風接近に伴い、近畿地方から東日本では雨雲がかかっており、東斜面を中心に大雨となるおそれがあります。その後も台風周辺の雨雲により、東日本では29日朝にかけて、先日の豪雨による被災地を含む西日本では28日夜遅くから30日にかけて、所によっては非常に激しい雨が降り、局地的には1時間80ミリ以上の猛烈な雨となる見込みです。
29日12時までの24時間の雨量は多いところで関東甲信地方と東海地方で400ミリ、四国地方で300ミリなど広い範囲で大雨となるおそれがあります。その後も30日12時までの24時間に、西日本の広い範囲で100~300ミリの雨が降るでしょう・・・(以下略)。
その代わり、「予想図」を見れば、完全に「逆送コース」です。理科の教科書、書き換えが必要です。「技術の進歩に伴って、これまでと反対の動きをする台風も可能になった」とかね。
でも12号台風ジョンダリは、明らかに、これまで大雨被害を受けた地域(特に関西、四国、中国)の横断を狙っています。これが成功すると、被災地は壊滅的な被害を受けるだろうし、人々は今後、どんな異常気象がおきてもそれを受け入れ、慣れさせられしまうでしょう。とにかくみなさま被害がないように。特に低地にお住まいの方は、まさかと思っても、ためらわず避難して下さい。
なお、日本が台風をニックネームで呼ぶようになったのは初めてではないかと思いますが、その「ジョンダリ(ひばり)」は、北朝鮮が提供した名前と聞くと、気象と政治(それも国際政治)が直結していることを感じます。2018.7.28