大統領選、トランプ氏が嫌われるわけ

 ユニークなキャラクターが揃った今年のアメリカ・大統領選。「戦争屋・ヒラリー」は論外ですが、なぜかメディアにメチャ叩かれているのがトランプ氏。たしかに未知数の部分が多いし、彼が次期大統領になったらどうなるか・・・なんて、私だってわかりません。でも、他の候補者とあきらかに違うのが、ワクチンに批判的なこと。はっきりと反対意思を表明しているわけではありませんが、言葉のハシバシに、今のアメリカのワクチン政策に対する疑問が感じ取れます。
 下のビデオは2015年9月、カリフォルニアで行われた共和党の大統領候補者の演説の一部。

 最初に発言したカールソン医師は、「山のような研究が行われてきたが、自閉症とワクチンに相関関係があることを示したものはひとつもない。15年~20年前に相関関係があるという説が適切な審査もなく広がったが、ワクチンは死亡を防ぐ非常に重要なものだ」・・・などと言いつつ、「ワクチンと自閉症の関係をあなたはどう思うか」との質問には答えていません。CDCの内部告発のニュースがあったにもかかわらず、ワクチンは批判できないのですね。
 それに対し、トランプの態度は非常にはっきりしています。
「自閉症は流行している。25年前、35年前の統計と比べてもとんでもない増え方で、全くコントロールできない状態だ」
「私はワクチンが大好きだが、それでも本数は少なく、長期にわたって打つべきだと思う」
「それはそれは可愛い二歳の子がワクチンを受けに行き、その一週間後、高熱を出してひどい病気になった。その子は今、自閉症だ」
「言いたいのは、とにかく同じ量のワクチンを打つにしても、長期にわたって打てということだ」
 と、くりかえし、「早すぎ、多すぎるワクチン」に警鐘を鳴らしています。
 これに対し、再度発言を振られたカールソン医師は、再び「自閉症とワクチンの相関関係を証明する論文はない」と言いつつ、
「たしかに、我々はあまりにも短い時間に、あまりにも多くのワクチンを打ちすぎている。多くの小児科医は、今、ワクチンの数をへらすか、打つ期間を延ばすべきだと考えている・・・」
 …リーダーが「ワクチンはダメだっ!」と言ったら、他もそれに倣うというわけ。そうなっちゃ困るので、トランプ叩きが続いているわけです。これが政治ですね。2016.4.25
 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/