バナナ共和国と多国籍企業

 環境保護活動家の暗殺(ホンジュラス) (03/04)の続報が入っています。
 ベルタ・カセレスの暗殺後、その場に居合わせて負傷したメキシコの著名な環境活動家、グスタボ・カストロ・ソト氏の安否が世界中で懸念されていました。彼のこれまでの活動歴から、この暗殺は二人を狙ったものであることはあきらかで、このまま軍事政権下のホンデュラスにとどまっていては危険だったからです。
 その後、いろんな救出作戦が展開されたようで、彼とそのチームは、なんとかテグシガルパ空港までたどり着いたのでした。そこで、待っていた駐ホンジュラスメキシコ大使と領事と別れのハグを交わし、通関に差し掛かった時,ホンデュラス政府関係者が現れ、彼を引き戻そうとしたのです。メキシコ大使らはこれに抗議し、大騒ぎとなったのですが、結局彼は市内に戻され、メキシコ大使館で保護下におかれているとのこと。
 ホンデュラス政府は、彼を出国させないために、手回しよく「移動(出国)警告」を出していたのです。その理由は、彼の証言(declaration,とある)がまだ終わっていないからで、彼は事件が起きた町に戻るよう求められているとか。しかし、ホンデュラスはもともと「バナナ共和国」のひとつ。国を仕切っているのは多国籍企業です。2009年の軍事クーデの裏も先進国の多国籍企業が黒幕として指令を出していたのは有名な話で、このクーデタ以後、一挙に「外資」が流入し、開発が激化するのですが・・・それに対し、声を上げる人々、中でも運動のリーダーは、しょっちゅう脅迫を受け、殺されています。日本人が知らないだけで、南米の人々はすでに臨戦態勢に入っているんだなあと思いました。
 人権保護団体は、ホンデュラスの人権委員会にグスタボの一刻も早い出国と、必要な「手続き」はすべて大使館内で行え、と、市民が電話(504) 2231 0204するよう呼びかけています。2016.3.7

(参考)
Gustavo Castro Soto Bio | Other Worlds

International
call to condemn the murder of indigenous …

http://miningwatch.ca/blog/2016/3/3/urgent-action-urge-immediate-protection-gustavo-castro-injured-during-assassination
Chiapas Murder Draws Criticism of Canadian Mining in …

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/