神奈川県予防接種研究会の「中間報告」がHPにアップされました。その「まとめ」はここ↓。
提案内容:ヒトパピロマウイルス感染症予防接種後に何らかの症状に苦しむ方が、国の救済制度により被害認定がなされ、救済を受けることのできるようになるまでの間、医療費等の負担が大きいので、負担軽減のため、緊急的な支援を実施する。
中間報告(予防接種健康被害救済制度のあり方) [PDFファイル/56KB]
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/772268.pdf
予防接種の実施主体ではない県が、このような「支援」を実施するのは法的に問題がある(整合性、合理性がない)ということは、公務員ならすぐわかるはず。でも、医薬産業界と仲良し、しかもワクチン協力推進派を知事にした神奈川県は、こんな「第三者機関」を作って、知事への批判をかわそうとしているわけ。神奈川県が市民の側ではなく、業界側に立っていることは、この↓ニュースからもわかりますが…
…黒岩知事が「神奈川県の投資環境・特区などの取り組み、観光地について」をテーマに講演し、「未病(病気と健康の中間)」「医食同源」「有胃気即生(食欲
が健康の基)」など中国医学の概念を紹介し、先端医学と中国医学を融合させた「未病産業(ヘルスケアビジネス)」の創造を強調した。さらに、先端技術で声
やガスなど未病の状態を監視し、それらをサーバーへ自動送信して、データベース化、膨大な未病情報を解析し、未病の科学的理論を導き出すとの構想も披露し
た。http://www.dllocal.com/whenever/9390.html
「ヒトの健康」を産業のネタにしようとしているわけ。「マイナンバー制」も取り込もうとしているのは明らかで、黒岩は完全に業界筋を代弁しているとしか見えません。
なお、中間報告書で注目すべきは、「神奈川県副反応報告等の状況」の数値です。
副反応報告 32、保護者報告80 合 計 112(平成27年4月末まで)
(参考)全国の副反応報告数 2,475 件(平成26 年3月末現在)
※ 国への副反応報告は、医療機関からとワクチンメーカーからの2ルートがあるが、県は定期接種前の医療機関の報告及びワクチンメーカーからの報告は、把握できないため、全国の報告に比べ、数が少なくなっている。なお、国の保護者報告数は未発表
厚労省の陰険ぶりがよくわかります。とにかく、①医療機関からの報告が非常に少ない、②国は保護者報告数を発表していない、③都道府県にはデータを把握できる能力がないこと(隠蔽もある)から、本当の被害者数はーーアメリカと同じようにーー、公表数の十倍~百倍(以上)であることが推測されます。そのような「潜在的被害者」が次々と名乗り出てくることが考えられるので、政府はHPVワクチン被害を、予防接種の被害として認定したがらないのです。それをやると、ワクチン産業が壊滅しかねないから。
国が保護しようとしているのは、被害者ではなく、医薬業界。黒岩県政はその手先。HPVワクチンをめぐる動きは、とっくに、医療事故の枠を超えた地政学的リスクの問題になっていますが、日本・厚労省の「勧奨中断」は、皮肉なことに、海外では「素晴らしい」と評価されているのです。なので、神奈川県予防接種研究会も、最終報告で、「HPVワクチンを定期接種から外すこと」を提言すれば、一気に国際的な名声があがるでしょう。でも、それだけ肝が座っているメンバーはいる? 金と無関係なメンバーはいる? 2015.6.7 (6月9日手直し)