鮫川村焼却炉爆発事故からわずか四日後、環境省は何と「一次報告書」を出していました。http://shiteihaiki.env.go.jp/pdf/q5_samekawa_130902.pdf
村民に事故があったことを伝えもしなかったくせに、これはまた何とすばやい。もちろん、これほど「拙速」だと、中身も予想できます。下はその初めの部分。下線山本。
農林業系副産物等処理実証事業
主灰コンベア破損事故の原因調査結果
(第1次報告)
平成25 年9 月2 日 環境省指定廃棄物対策チーム
環境省は、農林業系副産物等処理実証事業(福島県鮫川村)において、8月29 日14:30 頃に発生した主灰コンベア破損事故につきまして、事業の委託先である日立造船株式会社とともに原因の調査を進めています。これまでの調査で明らかになった事について、第1次報告として取りまとめました。
○主灰(もえがら)コンベアの覆いの一部が破断するなど、主灰コンベアが破損しましたが、その他の装置の破損はありませんでした。
○施設内及び施設周辺の空間線量率と周辺土壌のセシウム含有濃度を測定の結果、異常値は認められませんでした。
○これまでの調査の結果、当日の朝、主灰を排出する際に開放するゲート(ゲートシリンダ;焼却炉の下部に位置する)を閉め忘れたことなどから、焼却炉を回転させる軸の隙間から可燃性ガスが少しずつ漏れ、主灰コンベア内に滞留し、着火したことが原因と考えられます。
ね? 原因は「炉の欠陥」ではなく、「人災」だと言ってる。でも、矛盾してない? 可燃性ガスが漏れていたなら、主灰だって漏れていたはずでは? 可燃性ガスだけなら、なぜ爆発音が二回だったの? そもそも、ガスは排気塔の方へ行く設計じゃなかったの?
この事故について、樗木博一氏の見解を、その了承を得た上で掲載します。彼は鮫川焼却炉の排ガスを直接測定しようとして、日立と環境省に拒否された技術者です。
彼の「提案」ビデオはここ→http://youtu.be/up-tKf9MlPw
鮫川村焼却炉爆発事故原因究明についての私の考えをお知らせします。ご参考になれば幸いです。
現場保存がなされている場合の仮の話です。粉塵爆発であることを確認する調査としては下記ようになると思います。
(1).現場状況写真の撮影
焼却炉、焼却炉から焼却灰が排出される箇所、コンベア機構を収納したダクトの 外側およびダクト内の状況(ダクトにさわらないで撮影可能な範囲)
・日立造船の設計者の事情聴取
・焼却炉の試運転による確認
*IWJのインタビューに答えて、環境省の作業服を着た方が、毎朝運転前に焼却灰を抜き出す作業をしているが、炉の構造上、抜きだす棒(シャフト)と炉の間に2mm~3mmの隙間があり、運転中も焼却灰が少量出てくるといった説明をしていました。http://www.ustream.tv/recorded/38002527
(鮫川村 廃棄物焼却炉 事故現場確認 (37:04) 2013/08/21:41)
付着物は焼きついていると予想されるので、ダクト、コンベア機構は現地で取り外 して検査機関まで運び、そこで、分析用サンプルを作るため、切断し、
・光学顕微鏡、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)による付着状況写真、付着物自体の形態写真の撮影を行う。
・イオンクロマトグラフでの成分分析を行う。
*粉塵爆発によって高温になった焼却灰が、ダクト、コンベア機構に焼きついているのが確認されると思います。
3.環境省・日立造船がどの程度の分析能力・技術的能力を持つ人材をかかえ ているのかわかりません。 原因究明などできない可能性もあります。また真の原因究明を行って公表した場合、焼却炉の構造問題に波及し、簡単には運転を再開できないことになるので、運転再開を急ぐため、別の理由を
だしてくる可能性もあります。
5..こわれた部品を新規に製作して交換するだけであれば、8月29日に事故が発生 してから2週間程度で運転が再開されるものと思われます。
予備部品があればもっとはやくなると思います。
これで、日立がなぜ事故を消防にも警察にも届けなかったか、村での報告会を中止したのか、報道統制しているか、よくわかります。私も、この事故は粉塵爆発であり、それはシステムそのものの構造的欠陥による、従って、今後も常に同様の事故の危険性はある、と考えていますが、現段階でこうだから、この先、もっともっとウソを積み重ねることでしょう。鮫川村民、どうする気よ。2013.9.3