全国初、がれきで市長告発(富山)

 というわけで、予告どおり、森富山市長を告発しました。私が知る限り、全国初の事例じゃないかな。これに対し、被告発人は「誣告罪で訴える!」と吠えた様子。 

震災がれき反対派グループが告発 森市長「訴えるだけ」と徹底抗議
(2013年05月01日 17時42分)
 市民の強い反対を押し切って震災がれきの試験焼却を行い、受け入れを決定したことは、市民の健康や財産に損害を及ぼすなどとして、1日反対派の市民グループが富山地区広域圏の理事長を務める森富山市長の告発状を富山地検に提出。一方の森市長は、虚偽告訴罪で「訴えるだけです」と怒り心頭です。
  告発状を提出したのは、震災がれき受け入れに反対する市民グループ『放射能から子どもを守ろうIN富山』の佐藤好美代表らメンバー33人です。告発の対象は、富山地区広域圏事務組合・理事長を務める森富山市長1人で、告発状では「放射性物質など数多くの汚染物質を含む震災がれきを焼却すれば処理施設周辺の住民や富山市民に健康被害が出る」、また、去年12月におこなわれた試験焼却についても「焼却場や最終処分場周辺の自治会と結んでいる公害防止協定を無視して焼却と灰の埋め立てをおこなった」などとして公務員職権乱用、背任、傷害の罪にあたるとしています。地検は、内容を精査し、不備が無ければ告発状を受理するとしています。
  1日の定例記者会見で森市長は、「全く聞いていないのでコメントしようがない」と前置きした上で次のように述べました。「そうであれば、誣(ぶ)告罪で訴える。それだけです」 誣告罪とは、刑事処分や懲戒処分を受けさせる目的でうその告訴をする虚偽告訴罪のことで、森市長は、震災がれき受け入れは背任や傷害にはあたらないと徹底抗戦する構えです。
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20130501174330

 誣告罪(虚偽告訴罪)ね、「告発・告訴された事実は存在していない」と言いたいわけね。これがなぜ、「徹底抗戦」という見出しになるのか不明ですが、事実は「遁走術」。ここに至って逃げ隠れしないでよね。
 富山の住民グループは、これまでも、県市町の事業の違法性を指摘する文書を何回も出して、説明を求め、がれき受入中止を求めてきています。でも、田舎の自治体って、住民の声に耳を貸さないものなんです。彼らは地元ボス(町村長含む)と結託し、なんでも自分たちの思いどおりになると思っているのだから、住民がこういう怒りの声をあげないと、事態は悪化するばかりです。今回は森市長一人をあげましたが、現在、復興予算その他についても調査中で、今後、他の関連人物も追加告発を予定しています。富山の方、情報をお寄せ下さい。
2013.5.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/