フクイチの停電、ねずみが原因?

  フクイチの停電「事故」の下手人はねずみ? まずメディア報道から。

ネズミ侵入で配電盤ショートか…福島第一の停電
読売新聞 3月20日(水)15時20分配信   
 東京電力福島第一原子力発電所で停電が起き、使用済み核燃料プールの冷却装置などが停止したトラブルで、東電は20日、屋外の仮設配電盤の内部に焦げたような黒い跡があり、真下でネズミとみられる小動物の死骸が見つかったと発表した。東電は小動物が侵入して配電盤がショートしたことが、停電の原因になった可能性があるとみて調べている。停止した全ての設備は同日未明までに復旧した。同原発では18日夜に停電が起き、1、3、4号機のプールと共用プールの冷却装置や、汚染水処理用のセシウム吸着装置など9設備が一斉に停止した。安全確認や復旧作業を進めて順次運転を再開し、共用プールが20日午前0時12分に稼働。停止から約29時間ぶりに全面復旧した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130320-00000472-yom-sci

 ほとんどのメディアがこんな調子。落雷ではなく、「小動物」のせいにしたようで、「配電盤内部で見つかったネズミ(全長約25センチ)のようなもの」の写真も報道されていました。http://mainichi.jp/graph/2013/03/21/20130321k0000m040072000c/002.html
 でも、東電はそうは発表していないのよね。

福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について(続報8)
平成25年3月20日 東京電力株式会社
 3月18日午後6時57分頃、福島第一原子力発電所免震重要棟において、電源が瞬時停止する事象が発生いたしましたが、その後の状況についてお伝えいたします。福島第一原子力発電所における電源設備の不具合に関する調査を行っていたところ、本日(3月20日)午後0時36分頃、仮設3/4号M/C(A)の電源盤内において、端子および壁面がすすけていることを確認しておりますが、その後、双葉消防署による確認の結果、午後1時57分、火災ではないと判断されました。引き続き、電源設備の不具合状況の調査をすすめてまいります。調査状況については、新たなことが判明し次第お知らせいたします。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index-j.html

 壁面がすすけている→焼け焦げた跡がある→しかし、火災ではない。
 動物の死骸については→沈黙、という不可思議な展開。
 では、こういう↓記事はどう説明するのかな? 赤字山本。


 一時停止の9施設、全て復旧=4号機プールなど冷却再開ー福島第1停電・東電
 2013年3月20日01:12(時事通信社)
 東京電力福島第1原発で停電が発生し、1、3、4号機の使用済み燃料プールや共用プールの冷却設備が停止していた問題で、東電は20日未明、一時停止していた9設備が全て復旧したと発表した。ただ、全面復旧までに1日余りかかっており、停電への対応に課題を残したと言えそうだ。停電の原因も解明されておらず、東電は調査を続ける。
 東電によると、19日午後2時20分ごろ、1号機プールの冷却設備が復旧した。最も発熱量が多い4号機プールの設備も同4時15分ごろに非常用ディーゼル発電機に接続することにより冷却を再開した。冷却再開時の温度は1号機プールが17度、4号機プールが30度。3号機プールについても午後10時45分ごろ、冷却設備を稼働させたという。共用プールの冷却も20日午前0時10分すぎに再開した。温度は31.8度だったという。ただ、東電は冷却設備停止を招いた停電が起きた原因については、依然として不明としている。3、4号機の仮説電源盤で異常が発生した可能性があるとしていたが、目視点検では目立った損傷などは見つかっていないという。同原発事故以降、これだけの主要設備が長時間にわたって停止したのは初めて。19日午後に開いた臨時会見で、尾野昌之原子力・立地本部長代理は「ご心配をお掛けしていることは申し訳なく思っている」と謝罪。同原発周辺のモニタリングポストで放射線量に大きな変化はないとしている。 http://topics.jp.msn.com/flash/article.aspx?articleid=1735305

 電源盤に問題があるとわかっていたし、19日は朝から大騒ぎで現場を確認していたはずなのに、この記事によれば、20日午前0時過ぎまで、壁の焼け焦げも、動物の死骸もなかったとしか思えない。新聞が横並びで書く時は要注意。今回は、どうしても「ねずみのせい」にしたいのでしょうが、その理由は? おっと、日が変わったので、続きはまた明日。2013.3.21

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/