ぜんそくは精神的なものです=ある医師の発言

  大阪、此花区のお母さんたちから連絡がありました。
 7月末、維新の会の井戸大阪市議に、がれき受入れに反対するよう求めて面談した時、とんでもないことを言われた、との怒りのメール。ビデオは5、6分ほどと短いので、まずごらんになって下さい。
 http://www.ustream.tv/recorded/24252862
 以下、聞きとりにくいテープから、迷言部分を書き出しました。 ( )は市民の声です。
 「いろんな人たちが不安をあおっているんですよ」
 「岩手県には(放射性物質は)飛んでないですよ。ほんのわずかしか飛んでないですよ」
 「過去に共産主義者が、いろいろとダイオキシンのことで、みなさま方のような純真な方を脅してやってきた、と。ま、共産党だけじゃないですけどね」
 「きちんと説明させてもらって…ま、不安をあおる人たちにはガツンと言わせていただいて・・・」
 (説明だけでは安心できませんよ!)
 (説明会では何も答えていませんよ!)
  …議員、いったん部屋を出て、また戻ってくる) 
 「…あのね、あなたち、何が目的なんですか?」
 (子どもの健康を守りたいんですっ!)
 「どこでどうなるんですか? (被害と)放射能の関係で、きちんとした科学者が、過去に論文として出されたことがあるんですか? 主張はいろいろありますが、それにだまされないで下さい。焼却炉の安全性については・・・」
 (じゃあ、なぜ、ぜんそくの子どもが多いんですか?此花区に?)
 「そういうような不安をあおる人がいるので…ぜんそくは精神的な要因が大きいんです」
 (それだけではありませんっ!!)  
 「80パーセントはそう(精神的な要因)です」
 なお、発言者の井戸正利氏は医師です。念のため。
http://www.ab.auone-net.jp/~idomasa/gaiyou.html
 彼は大阪府の医関係機関に長年勤めた後、2011年4月に初当選したばかり。どうも医師の立場で橋下政権を擁護するのが任務のようですが、ぜんそくは精神的なものというのは、環境汚染はない、公害もない、と言っているのと同じ。
 環境汚染とぜんそくの関係は、政府でさえ認めており、医療費補助まで出ているのに、そんな常識もないおっさんが、どうやって医師免状なんて取れたの?
 これも念のため、大気汚染と健康影響について、国の機関のHPから引用しておきます。

環境儀 NO.21 大気汚染の健康影響研究 | 国立環境研究所
 大気汚染が健康や生命に深刻な影響を与えることを示した事件に1952年12月の「ロンドンスモッグ」があります。ロンドンでは家庭の暖炉の燃料として石炭が用いられており、各住宅の煙突からのばい煙によるスモッグが激しく、そのときは特に酷いものでした。厳寒による暖房用石炭燃焼の増加に逆転層による大気の安定が重なって大気汚染はピークに達し、その数日間だけでロンドン市内の死亡者数は通常よりも4,000人増加しました。当時英国で測定していた大気汚染物質は二酸化硫黄(SO2)と総粉じんですが、死者が急増した期間の日平均濃度はSO2が0.7ppm(2.0mg/m3に相当)、総粉じんは1.6mg/m3に達していたのです。
 さらに、大気汚染による健康影響は喘息などの閉塞性肺疾患の有症率を上げることが明らかになり、工場からの硫黄酸化物や窒素酸化物の規制が強化されました。そのほか現在、工場や発電所から大気中に排出される汚染物質としては、低濃度の水銀汚染が注目され、健康影響について調査研究が進められています。

 ぜんそくだけでなく、「発電所」、「ごみ発電所」の排ガスは、肺がん、アレルギー、アトピー、そしてこの記事にもあるように、死亡率に直接影響するのは、子どもでさえわかっていること。だから、工場や焼却炉が多い此花区で何が起きているかわかるはず。こういう発言をする医師からは免状を剥奪すべきだし、議会にいるべきでもありません。こういう人間に票を投じた大阪人、後で泣くのは、あなたたちなんですよ。2012.8.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/