前記事神奈川県のHPVワクチン医療補助 で9価HPVワクチンのことを書きましたが、FDAは2014年12月10日に、9歳から15歳までの女児への使用を承認し、CDCの諮問機関であるACIP(Advisory Committee on Immunization
Practices)も、今年3月、メルク社の9価ワクチン、ガーダシル9を11~12歳の女児に定期接種するよう,「推奨」していました (http://www.cdc.gov/mmwr)。
それだけでなく、これまで同ワクチンを接種してこなかった女性、男性と性交渉している男性、免疫不全(エイズ感染者含む)を相手にしている人にも・・・と、見境なしに接種を勧めています。9価HPVワクチンがカバーするのは、ヒトパピローマウイルスの6, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58 VLP(ウイルス様粒子)で、CDCのサイトを見ると、ACIPがこのワクチンの効果がいかに高いかということと、それを承認した経過が延々と書いてあります。たとえば:
臨床試験の結果、要は9価HPVワクチンは4価ワクチンに比べても、安全、健康への影響もなく、コスト有効性も高く、男性にも女性にも安全です(ややこしい条件などは全てカットしているので、正確を期したい方は原文を見てね)。ただし、他のワクチンで反応がでた人、イーストに過敏な人は「注意」、また、妊婦には勧めません。
これは、それまでのサーバリックスとガーダシルが両方とも「不妊」につながる成分を含んでいたため、流産ー訴訟を恐れているからかもしれません。さらに・・・
現在、ACIPでは定期の予防接種としてHPVワクチンを11~12歳で打つよう勧めていますが、9歳からでもかまいません。また、これまで打ってこなかった、あるいは3回の接種を終えていない13~22歳の女性、13~21歳の男性にも勧めます。22~26歳の男性も接種できます。ACIPは男性同性愛者、免疫不全の男性とSEXしている26歳までの男性に接種を勧めます。
要は、女性の間に忌避感が広がったので、次は男性をターゲットにしているのでしょう。女性と違って、男性は権威やパワハラに弱いから、次は男性のHPV被害者が大勢誕生するかもしれませんね。とにかく、今後は2価ワクチン(サーバリックス、GSK)、4価ワクチン(ガーダシル、メルク)と並んで、9価ワクチン(ガーダシル9、メルク)が売り込まれるはず。その対象になる年齢の男性に、「打つな」と注意してあげてくださいね。2015.8.13