非核アジアフォーラム、共同声明

 非核アジアフォーラムの続き。台湾から記者会見の情報がたくさん入っています。その中から、一番短い記事を訳しました。ま、だいたい共同声明どおりのようです。原発メーカー訴訟のことも言ってくれたようだし。なお、新エネ(再生エネ)については、発展途上国の人々はまだ情報がなく、その危険性が認識できていないのかもしれません。

反核活動家、アジアへの原発輸出に懸念

2014/09/29
15:41
http://anntw.com/articles/20140929-oU9q



 方家敏 【台灣醒報記者方家敏綜合報導】(写真は省略)モンゴル代表(右)は、ウラニウム生産のためにモンゴル民族はすでに自然環境の破壊と、異常な比率の奇形児出産に苦しんでいると述べた。フィリピン代表(左)は、フィリピンの豊かな資源を活かし、再生エネルギーを発展させるべきだと述べた。(photo
by
非核亞洲論壇)


 アジア8カ国、60名以上の反核(反原発)代表らが非核アジアフォーラムに参加し、欧米諸国がアジアの新興国を原発のマーケットにしようとしていることを非難する共同声明を出した。福島現地では、福島原発事故以来、国連は放射能は何の健康影響も及ぼしていないというウソを言い続けているが、福島の子どもたちの甲状腺がんのはここ数年、爆発的に増加しているとの批判が出ている。モンゴル代表も、各国がモンゴルでこれ以上ウラニウム資源の採掘を行わないよう、それはモンゴルだけでなく、全世界に災いを及ぼすと注意を喚起した。

 四日間の日程で台湾で行われた非核アジアフォーラムは、29日に閉幕した会議期間中、各国代表は、使用済み核廃棄物の処理、核の環境と人体に及ぼす影響など幅広い議題について積極的な討論を行った。会議参加者は台湾の東北部の北海岸にある第二原発と第四原発を訪れ、現地住民と反核運動の経験を語りあい、民進党前主席の林義雄と夕食を共にするなどした。

 彰化キリスト教会病院産科主任の葉医師は;最近、福島県の児童を対象に行われた甲状腺の調査で、90人が甲状腺がんにかかっている(女子58、男子32)ことが明らかにされたが、2014年のフランスの最新調査によれば、女性は男性より放射能に敏感であること、年齢とは無関係であることが示されている。放射能は次世代の甲状腺と知能指数に影響するだけではない。もし、中国と韓国の原発が爆発すれば、放射能のチリは台湾まで飛来する可能性があり、その影響ははかりしれない、と述べた。


 日本代表は、福島現地では甲状腺がんだけでなく肺がんが爆発的に増えているという福島住民の嘆きを伝え、それにもかかわらず、国連は福島の放射能はたいした人体への影響は及ぼさないという態度を崩さず、何通手紙を出しても無視していると述べた。日本政府は、被災地の表土10センチを剥ぎ取って移動する「除染」事業に、すでに10億ドルの費用を支出しているが、福島県の子どもの甲状腺がんはすでに百倍にものぼっている。


 香港代表の譚架禧は中国沿岸の28基の原発の脅威に懸念を示した。中国から20数キロしか離れていない香港は、(事故が起きた場合の)避難区に当たり、中国がかってなかったような速さ原発建設を勧めており、今後20年で全国に230基以上の原子炉を計画していること、「それなのに、我々は中国の原発に対し、話をする権利さえない」と述べ、国際的な圧力で中国の原発計画を停止させて欲しいと希望を述べた。


 カトリックの神父であるフィリピン代表のFr.
Fernando
Loreto
は、フィリピンの政治家は腐敗と汚職がひどく、30年前も原発を作るために230億米ドルを費やしたが、その資金の行方は不明だと述べた。またフィリピンは火山が多く、原発の多くが火山に極めて近いこと、最近、異常気象が頻発していることから原発には向かないと指摘。それよりも、再生可能エネルギーは大規模な電力を提供する能力があると主張した。政府は今後、さらに原発⒔基の建設を予定しているが、現地の反核市民たちはその中の1基を止めることに成功し、今後も闘争を続けていくとしている。

 モンゴル代表Selenge
Lkhagvajav
は、モンゴルは人口は少ないがウラニウムは豊富なため、政府はこの核燃料をアメリカ、韓国、台湾、日本などに積極的に輸出している。しかし、モンゴルでのウラン鉱山開発と採掘の特許を得た13の外資系企業は、現地モンゴル人及び家畜に重大な影響を及ぼしており、奇形児の出産比率が高くなっているが、政府は国民を洗脳するための情報操作を続けている。彼女は各国がこれ以上モンゴルからウランを輸入しないよう、同時に、核廃棄物をモンゴルに輸出しないように求めた。

 台湾環境保護連盟創会の施信民会長は、最近、台湾の核廃棄物反対デモや、林義雄のハンガーストライキが海外の注目を集めたが、これは台湾非核アジアの重要な役割を象徴していると述べた。環境保護連盟の劉俊秀会長は、各国代表は、各国代表が、昨年からGE、日立、東芝など原発メーカーを訴える手続きを進めていること、メーカーは民衆に対して種々の障害をもたらしており、今後、さらに協力して国際的な反核活動を進めていくと述べた。

2014.10.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/