豊岡市で「副市長公募」?

 
 兵庫県豊岡市で民間から副市長を公募! こんなニュースを目に
しました。
職員の意識改革のため民間の知恵をかりたいのだとか。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001991540.shtml
 けっこう本気らしく、
神戸や東京などで説明会を開き、書類選考
後、個別面談で決定し、
101日に
就任予定とか・・・・・・どこも八方
ふさがりの日本では、
受けるでしょうねえ、このニュース。


  私が豊岡に行ったのは2006年夏。豊かな水と森、農村が広がり、
コウノトリが舞う、日本の田園地帯のお手本のような、すばらしい
環境です。
遊びに行ったわけではありません。そんな谷戸の奥に北
但広域の焼却
炉を作るというので、反対派の支援に出向いたのです。
 コウノトリを環境の
目玉としながら、環境へ悪影響をもたらす施設
を田園のどまん中に作るという矛盾した政策。私は中貝市長と
直談判
すべく、面会を申入れました。まさに「民間」の考えを行政に伝えよ
うとしたのです。でも、彼は「忙しい」と応じてくれませんでした。

 ところがよくしたもので、豊岡市を離れる日、反対派の人々と訪れ
たコウノトリ公園で、偶然、市長に遭遇したのです!一緒に写真を撮
る短い時間に、私はこの計画がいかに地域をだめにするかをまくした
てました。
 ところが彼は耳を貸さず、「それは山本さんの論理、こっちはこっ
ちの論理がある」。それどころか「あなたは失礼だ!」。休日の朝、
見知らぬ女に政策批判されてかなり頭にきたのでしょうが、失礼なの
は、頭ごなしに焼却炉予定地を決めた市長の方じゃないの? それに
市民を無視した「こっちの論理」なんてありえないんだから!
 彼らは誤解しています。行政を改革しようと思えば、職員の意識を
変えるより、市長の意識改革が先。職員たちは公務員として就職する
ため、初めから閉鎖的、無責任な体質と思考形態がしみこんでいて、
ちょっとやそっとじゃ変わりはしません。彼らを変えるのは、首長の
「哲学」と、それにもとづく法的・行政的指示なのです。
 


 試して見たい気もしますが、同市では私への拒否反応が強いとも聞
いたし、当選者も水面下で決まっているかもしれません(上勝町の環
境担当―公募―がそうでした。電話して初めて知りました)。ま、同
市はよそから副市長を招かざるを得ない状況があるのでしょうね。
 ちなみに北但の焼却炉計画は、市民の積極果敢な行動のおかげでボ
ツになりました。
その後、別の地域で復活していますが、ここでも強
行な反対に会い、デッドロック状態のようです。2006.6.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/