警察の暴力で終わった大阪がれき説明会 2012年8月30日

  厳重な警戒の中で開催された、発の全市民を対象にした大阪のがれき説明会。会場の外では中に入れなかった人々が「反がれき集会」を開き、大阪でがれきを焼却したら、汚染は他市にも広がると、受け入れ中止を求め続けました。で、当日の会合を、マスメディアはこう↓伝えています。

橋下市長:震災がれき受入れで説明会 緊迫の場面も
 毎日新聞 20120831日 0049分(最終更新0831日 0115分)
 大阪市は30日、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の受け入れに関して、市中央公会堂(同市北区)で市民向けの説明会を開いた。反対する市民らの怒号で会場が騒然とする中、橋下徹市長が安全性を強調し、受け入れへの理解を求めた。市は6〜7月、がれきを埋め立てる此花区で区民限定の説明会を3回開いたが、全市民対象は初めて。約420人が出席した。市の担当者らが「日常で浴びる放射線量より低い」と強調したが、会場の内外で反対派の市民らが「放射能はいらない」「橋下やめろ」などと叫び、緊迫した雰囲気に包まれた。橋下市長はいらだちを隠せない様子で「皆さんの意見で市の方針を決めるのではない」「あなたたちの何倍もの市民が賛成している」などと述べた。数人の男性が壇上に詰め寄り、警察官らに制止される場面もあった。同市中央区の主婦(59)は「納得できる説明はなかった。結論ありきで、なぜ説明会を開いたか分からない」と興奮気味に話した。市は11月に試験焼却し、来年2月に岩手県から受け入れを始める計画。今年度は約6100トン、来年度は約3万トンを処理する予定。http://mainichi.jp/select/news/20120831k0000m040102000c.html
 「反対市民の怒号」「会場騒然」という表現に、市民に対するメディアの悪意を感じるのは私だけではないでしょう。でも、録画を見ると、市民が怒りの声をあげるのは、行政側が質問に何ひとつ答えようとしないからだということがよくわかります。しかも、橋下は「皆さんの意見で市の方針を決めるのではない」・・・って、あんた、何サマ? なら、どうして市長になったの? 業界の意見で方針を決めるわけ? 
 大阪市 がれき受け入れ説明会 紛糾
 (08/30 23:51) 大阪市は東日本大震災で発生したがれきの受け入れを表明していますが、30日夜、市民を対象とした説明会を行い、会場は紛糾しました。午後7時、中央公会堂で行われた説明会には市民およそ500人が参加しました。市は来年度までに岩手県のがれき36,000トンを受け入れる方針で、焼却灰を此花区夢洲の北港処分場に埋め立てる計画で、これまでに3回、此花区民に説明をしています。30日の説明会で橋下市長はがれき処理の安全性を訴えましたが、反対派の市民からは「受け入れ反対」などと怒号が飛びました。「日本国内のさまざまな人の協力、支え合い、いろいろなつながりで、大阪市民は生きています。大阪市民は大阪だけで生きているのではありません」(橋下徹大阪市長) 「安全性の分からないものを、大好きな大阪に持ち込んで欲しくない。本当にやめて欲しいんです」(参加者)橋下市長に詰め寄った参加者が制止されるなど緊迫する場面もありました。
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120830230500605353.shtml


 こちらも、説明会に来なかった市民は全員賛成だ、といわんばかりの報道で、憎しみに満ちたハシゲの目つきとともに吐き気をもよおします。彼の話法は、↓の動画を見ればすぐわかります。痛い質問には答えず、徹底して自論にもちこみ、はぐらかし、自分を正当化し、逆に相手を責める…誠実さも、民主主義のかけらもなく、厚顔無恥。こういう人間は、カネと権力のためなら平気で国民を戦争にひきずりこむでしょう。
 
質疑応答1人目
http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289284
質疑応答2人目「あなたの野望のために私たちの命を利用しないで下さい!」
http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289286
録橋下市長補足説明=「市民の意見を聞いて方針を決めるのではない」
http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289287
質疑応答3人目
http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289298
質疑応答4人目 橋下「会場にいるのは市民かどうかわからない
http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289302
質疑応答5人目 橋下「賛成の方が圧倒的多数だ」http://www.ustream.tv/recorded/25058477/highlight/289303
最後の質問者 「ウソの説明ばかりじゃないか!」答えなく橋下逃亡
http://www.youtube.com/watch?v=PCTKQPRBv2A&feature=youtu.be
回答を求める市民に対する警官の暴行の様子
http://www.ustream.tv/recorded/25063261
 市民の質問はどれもよく準備された素晴らしいものでした。それを支える参加者の拍手や声も元気がよくて、まさに「表現の自由」を感じました。これに壇上の連中はまともに答えられず、そそくさと退場してしまったのですけどね。
 ……異変はその後に起きました。
 なおも回答を求めて会場に残っていた市民を、警察と市環境局が強制排除を始めたのです。抵抗する人間を突き飛ばし、蹴飛ばすなど暴力をふるい、会場は大混乱に。IWJのカメラは何とかこのシーンを記録していますが、マスコミは一切このことを書いていません。がれき広域処理には原発推進とまったく同じ暴力的構造(利権の絆)が隠れていますが、それが表に出た瞬間。ハシ下はその暴力行政のトップなわけ。こういう人間が市長に選ばれるには、世論調査やTVなど、相当のメディア操作があったはず。選挙だって公正だったのか…とさえ感じました。みなさまもどうぞ大阪市に批判のメールを入れて下さい。2012.9.1

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/