行政にすり寄った鳥取地裁のひどい判決

 とにかく腹が立つニュースです。行政の横暴を制御するという義務を忘れて、行政に擦り寄るだけなら、もう裁判所なんて要らない。

差し止め請求棄却 鳥取・河原の可燃物処理施設
2015326日 http://www.nnn.co.jp/news/150326/20150326044.html 
 鳥取県東部広域行政管理組合(管理者・深沢義彦鳥取市長)が鳥取市河原町国英地区に計画する可燃物処理施設の建設差し止めを、地元の郷原集落が求めた訴訟で鳥取地裁(大島雅弘裁判長)は25日、原告の請求を棄却した。同町山手でごみ焼却施設を運営していた八頭環境施設組合が地元と
結んだ協定に東部広域が「拘束される法的根拠はない」と判断。原告側は判決を不服として控訴を検討している。
 原告は、ごみ焼却施設「クリーンセンターやず」(2009年に操業停止)を運営していた同組合(旧八頭郡8町村)と地元集落が結んだ協定に「次期施設は本施設およびその周辺には設置しない」との記述が盛り込まれたことを根拠に、協定は同組合のごみ処理業務を実質的に引き継いだ東部広域にも継承されているとして1110月に提訴。裁判では、協定の有効性▽協定の「周辺地域」には建設予定地が含まれるかどうか―などが主な争点となっていた。判決では、協定の効力について「同組合も東部広域、構成自治体も独立した地方公共団体。協定の当事者でない東部広域に法的拘束力は及ばない」と指摘。原告側の訴えを全面的に退けた。原告の主張については「法律上無理がある。政策選択の争いであり、選挙などの政治過程によって決着すべき」と付け加え
た。判決後、会見した原告代理人の弁護士は「住民との約束を行政は破っていいことになる。非常に問題の多い判決」と述べた。郷原集落の浦林幸範部落長(56)は「このままでは終われない。(建設予定地に郷原集落が所有する)共有地は売らない。長い間我慢しており、これ以上の負担は勘弁してほしい」と訴え、1週間以内に集落で説明会を開いて控訴についても決めるとした。一方、深沢市長は「原告の集落を含めて地元理解が得られるよう引き続き努力を重ねたい」と述べた。判決を受けて直ちに施設の着工に取り掛かる考えはないとした上で、「174月に予定していた新施設稼働は厳しくなる」と整備計画がずれ込む可能性を示した。

 あほらし。大島裁判長は、「行政の継続性」についても、官民協定は一般の契約よりも強い拘束性を持つことも、それを一方的に破棄することは公序良俗に反することも知らないんでしょうね。こんな低レベル・無能でも務まるのが日本の裁判所・・・というより、日本にはまともな「司法」はないのだ(だから、原発事故さえ「法で裁く」ことができず四年もたっている。弁護士もその無法体制の中にべっとり安住している)。

 こんな状況を判断できず、裁判に訴えればなんとかなると思っている市民が甘すぎ。「これ以上の負担は勘弁して」なんて言葉からも市民の「遠慮」がわかるけど、私なら、こういう無能な裁判官に税金を使いたくないし、違法な判決を出した彼の追放を求めて署名でもやるけどね。ま、この件は、共有地さえ手放さなければ住民が勝つから、ちゃんと勉強して、信念をもって反対を続けてほしい。2015.3.28

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/