舛添にも資金疑惑

 告示前の1月21日、舛添にも「資金疑惑」があることをアカハタが報道していました。図は省略。原文をごらん下さい。

 政党助成金で借金返済
 舛添氏の「新党改革」政党支部→資金団体と迂回
2014121() http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-21/2014012115_01_1.html 

 東京都知事選(23日告示、29日投開票)への立候補を表明している舛添要一元厚生労働相が結成した「新党改革」が、借金返済に使うことを禁じられている政党助成金や立法事務費で借金返済を行った疑いがあることが20日、本紙の調べで分かりました。舛添氏は、借金返済時の同党代表。猪瀬直樹前知事の「徳洲会」グループからの5000万円提供問題で「政治とカネ」の問題が争点となっている都知事選で、舛添氏の資格が問われます。 
   国民の税金が
 新党改革の政治資金収支報告書(2010~12年分)によると、2010年に銀行から2億5000万円を借り入れ、10年に1億5000万円、11年に5200万円、12年に4800万円をそれぞれ返済し、完済しています。同党の毎年の収入は平均1億5000万円ほど。この8割にあたる約1億2000万円が国民の税金である政党助成金です。政党助成法では、政党助成金を借金の返済に使うことを禁じています。
 立法事務費も
 同党に、国会議員の数に応じて各会派に支給される「立法事務費」が毎年1560万円支給されています。立法事務費は「国会議員の立法に関する調査研究の推進に資するため必要な経費」としており、借金返済に充てることは目的外使用です。政党助成金や立法事務費を除く同党の収入は、11年が2570万円ほど、12年が1500万円ほどにすぎません。3年間で2億5000万円の借金を返済するのは不可能です。そのため、政党助成金を舛添氏と荒井広幸参院議員(現、同党代表)の資金管理団体に迂回させた資金操作と立法事務費の目的外使用の疑惑が浮かびあがります。11年分の同党の支出を見ると、舛添氏と荒井氏が支部長の政党支部に、それぞれ4100万円という多額の支部交付金を支給しています。この原資は、政党助成金です。政党支部に支給された「交付金」は、両氏の資金管理団体である「グローバルネットワーク研究会」と「荒井広幸後援会」を経由、迂回させて、計1800万円が同党に還流する形となっています。(下図参照)翌12年も政党支部と資金管理団体を経由した資金1575万円が同党に還流しています。

 個人献金還流
 また、舛添氏は1015万円(10~12年)、荒井氏は940万円()の個人献金を同党に行っていますが、両氏は同党から「組織対策費」として、12年にそれぞれ800万円を個人で受け取っています。党収入の8割が政党助成金であり、両氏の個人献金もほとんどが政党助成金を還流させたものといえます。政党助成金を原資とした迂回献金が、借入金返済の不足分にあてられたのではないのか―。本紙の取材に舛添氏の事務所から、期限までに回答がありませんでした。新党改革は「政治資金規正法に違反のないよう適切に対応しております」としています。
 

 政党助成金とは、それまでの政治資金規正法にもとづく献金が汚職・癒着事件を生んできたことを反省して、1994年に新たに設けられた政党助成法にもとづいて出されているお金。どんなに嫌いな「あの政党」にも、議員数などに応じて毎年何十~何百億円もの税金が交付され、しかも原則、使途も自由というから、ありがたいことこの上もないでしょう。共産党はこれを憲法違反とし、受け取りを拒否していることから、時々この手のスクープを報道しています(例:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-11-02/15_01.html)。

 でも、今回の記事は都知事選の告示直前であり、「舛添つぶし」であることはあきらか。本当にこの記事のとおりなら、政党助成法第十四条に明白に違反しています。

 第十四条  この章において「政党交付金による支出」とは、政党のする支出(政治資金規正法第四条第五項
に規定する支出)のうち、政党交付金を充て又は政党基金を取り崩して充てるもの(借入金の返済及び貸付金の貸付けを除く)をいい、支部政党交付金の支給を含み、支部政党交付金による支出を含まないものとする。

 


 
これをフォローした日刊ゲンダイは、舛添元厚労相に2億5000万円「政治とカネ」疑惑が浮上(1月23日 woman.infoseek.co.jp/)とばっさり。他にも家賃を舛添自信の会社の収入にしていた件をあばき、政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大大学院教授に、「悪質な手口(犯罪)」と言わせています。

「立法事務費と政党助成金で返済していることになるわけで、違法な支出となります。本来、使い残した助成金は国庫への返納が義務付けられています。結果的に返納逃れでもあり、巧妙、悪質な手口です」

 「迂回」返済とは、違法性を認識してのことだから、ほとんど詐欺! 都知事どころか、政治家を辞めろ、と言いたい。なお、日刊ゲンダイは、これまでも舛添氏の「カネ」を追っていて、どれもとても面白い。

 舛添要一 参院選不出馬の憐れな舞台裏(2013年6月8日)
 都知事選“舛添優勢”覆す仰天情報 「細川元首相」急浮上 (2014年1月4日)
 都知事選「本命」舛添氏 高支持率も最大のネックはカネ(同1月6日)
 「臨海に原発と米軍基地」…一生消せない舛添の“暴走”発言録(同1月15日)

 でも、私がこの記事から感じるのは、自民党も、初めから舛添を「落選用」候補として出したのではないかということです。共産党がアカハタを使って舛添のネガキャンをするのもわかっていたはずだし、どうせ負けるなら「宇都宮」にではなく、「細川」に、と。それを考えると、共産党が「自民党補完勢力」と言われるわけがわかるようですな。考えすぎならいいけれど。2014.1.26

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/