ネオニコで宍道湖の漁獲9割減

 日本ではこのような↓タイトルで、宍道湖の「異変」が報じられました。

宍道湖のウナギ激減、ネオニコ系農薬が原因か 米科学誌

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/…

2019/11/01 ·島根県の宍道湖でウナギやワカサギが1990年代に激減したのは、周辺の水田などでネオニコチノイド系の農薬を使ったことが原因の可能性が高いとする論文を、産業技術総合研究所などの研究チームが10月31日付の米科学誌サイエンスに発表した。この農薬はミツバチを大量死させることなどが知られていたが、川や湖の生態系にも影響を与えている可能性を示したのは初めてという。産総研特定フェローの山室真澄・東京大学教授らの調査では、92年にネオニコ系農薬が国内で初めて登録され、実際に使われるようになった93年5月の田植えの時期を境に、宍道湖の動物プランクトンの量が激減。81~92年と比べ、93~2004年は平均で83%減になったという。この結果、動物プランクトンをえさにするワカサギは平均年240トンほど漁獲量があったのが94年以降、ほとんどとれなくなった。ウナギの漁獲量も平均年42トンから10・8トンに減った。

 

 私はこのニュースを、アメリカのDr.Mercolaのサイトの記事(Fish Harvest Down 90% After Pesticide Use)から知りました。タイトルの意味は「農薬使用以後に漁獲高が9割減少」。そして、この記事には、気になる箇所がありました。

「この研究は漁獲量の減少とネオニコの因果関係を証明するものではない。ネオニコによる淡水魚の死滅はヨーロッパでは精力的に調査され、そこで得られたデータは、ネオニコの毒性と昆虫類などの死滅、鳥類の減少につながっていることが示されている。湖に塩分と汚染が蓄積されていることも示されている。しかし著者らは、魚類の減少がその(ネオニコ使用)の結果と同じ時期に起きていることを信じなかった」という部分です。どう書いてあるのか調べようと思いましたが、英文フル・リポートは有料。

 そこで産総研のサイトを見ると;

産総研:ウナギやワカサギの減少の一因として殺虫剤が 浮上

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2019/pr…2019/10/31
 間接的な因果関係があることはちゃんと認める内容です。ただし、タイトルは「農薬」ではなく「殺虫剤」、「原因」ではなく「一因」とするなど、業界への遠慮がにじんでいることは隠せません。そして、他ならぬ学者らのこういう忖度・遠慮がネオニコをのさばらせているのです。なんたって日本は先進国中・最大のネオニコ規制緩和国。安倍政権は化学物質と医薬品に対する限りない門戸開放でここまで永らえているようなものだから、学者・専門家こそ、使用禁止を求めて一歩も二歩も踏み込む勇気が求められているのです。
 なお農薬・ネオニコに関しては本ブログでも何本も記事を書いているので、ぜひさかのぼってお読みください。
 さらには11年12月に改定されたネオニコ系のイミダクロプリドは、ほうれん草について従来の2.5ppmから15ppm、なすで0.5ppmから2ppmなどと緩くなった。いずれもネオニコ系をより使いやすくする規制緩和である。

ネオニコ系農薬、「クロ」認定 | WONDERFUL WORLD wonderful-ww.jugem.jp/?eid=1503

ネオニコ系農薬が散布された花々から蜜を集めたミツバチは、その汚染を巣に持ち帰り、巣全体に汚染を広げるということのようです(当たり前だけど・・・放射性物質も似たようなものですが)。他の三種についてと、その他の水棲動物や…

グリホサート、小麦にも適用されていた! | …wonderful-ww.jugem.jp/?eid=1953

この規制緩和と適用拡大によって、最大の危険にさらされるのは子どもたちです。そして、政府はこの後、ネオニコ系農薬も規制緩和するなど、まさに犯罪者集団の様相を見せています。2018.8.22

 

ところで、宍道湖を管轄する島根県は、この漁獲減と魚類の減少をどう見ているのか?調べたところ、減少しているのは漁獲だけではなく、藻類や貝類の一部はまったく漁獲がなくなったものもありました。(https://outlook.live.com/mail/inbox)

でも、原因を特定しようともしないのが行政機関の悲しさですね・・・おそらく、宍道湖の湖底には1970年代以降の公害や汚染物質が蓄積し、その上に島根県の各種公害企業(製紙工場、原発含む)が排出する汚染が重なり、そこにネオニコが追い打ちをかけたのかも。ヨーロッパやロシアではとっくにネオニコを危険毒物として使用を禁止していることに学び、先進国並みの方策を打ち出すべき時です。そのためには市民が問題を知り、行動を起こす必要があります。2019.11.20

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/