終わってないよ、東京のがれき処理

  こんな報道↓がありました。見出しだけ読んで、あ~東京のがれき処理もようやく終わりか、と思う人もいるかもしれません。でも、終わったのは「専用列車」だけで、がれき処理はまだ続くのです。

 震災がれきの最終列車が東京到着
2014113
http://www.daily.co.jp/society/national/2014/01/13/0006633868.shtml
 東日本大震災で発生したがれきの処理で、東京都が岩手、宮城両県から鉄路を使って受け入れてきた最終の専用貨物列車がJR貨物の東京貨物ターミナル駅(品川区)に到着し、がれきを積んだコンテナが13日、トラックに移し替えられた。最終列車を迎えた式典も開かれ、東京都環境局の池田裕治・埋立調整担当課長は「専用列車の運行はきょうまでだが、震災の災害廃棄物の運搬が終わったわけではない。都は最後まで廃棄物の受け入れ処理をしていく」と述べた。がれきは2012
9月から週5~6日、列車1本当たり最大400トン運ばれてきた。総量は約106千トンだった。

 
 
 じゃあ、いつまで? ーー平成26年3月31日まで。これは岩手県、宮城県との処理基本協定で決まっていますが、ほんとかどうかはわかりません。市民はチェックできないし。
 残りはどこで受け入れるの? ーー焼却、溶融、セメント焼成に関しては、自治体の受け入れはすでに完了しています。携わったのは東京23区清掃一部清掃事務組合(広域連合)、日野市、多摩市、町田市、八王子市などの自治体でした。そして今、受け入れているのは民間企業と東京都の海面処分場(最終処分)のみ。以下はそのリストアップですが、大田区・江東区に集中しているのに要注意。

 がれき受け入れ実施中の事業単位   事業内容

 江東区 東京ボード㈱        その他
 江東区 有明興業㈱         破砕・選別
 江東区 東京臨海リサイクルパワー㈱ 溶融
 江東区 東京都廃棄物埋め立て処分場 最終処分
 大田区 高俊興業㈱         破砕・選別
 大田区 ㈱リサイクル・ピア     破砕選別
 大田区 ㈱リーテム         破砕・選別
 出典:http://garekikouiki-data.env.go.jp/tokyo.html

 
 なお、神奈川県は①がれき焼却と焼却灰受け入れ計画→県民が大反対で中止、②県営処分場(横須賀市芦名)に漁網受け入れ計画→市民の反対、公害防止協定違反、自治会連合会も反対で中止、③南足柄市・箱根町に漁網受け入れ→市民の反対がほとんどなく、受け入れ成功。
ただし、その量は159トン。http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p729196.html
 神奈川     159トン
 東京都  106,000トン
  この違いをもたらしたのが、反対運動の有無です。まあ、東京では東京臨海リサイクルパワー(東電子会社)が、今なお平気で事業ーー混合廃棄物・漁網(釜石市・大船渡市)・廃畳(石巻市)などの高温溶融ーーを続けているくらいだから、都民の責任、というか無関心のつけですね。東京都は他にも下水汚泥問題があるし、状況は悪化する一方でしょう。再びいずことなく運びだされた滋賀の汚染チップも東京で処理されたかもしれない。2014.1.16 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/