地下汚染水、昨年の四千倍!と、トリチウム問題

 フクイチ汚染水の排出は、ますます深刻さの度を増しています。この↓ニュースもそれを物語っていますが、原因不明の汚染4千倍だというのに、TEPCOは「外部への影響はない」と言い張り、政府はそれを黙認している。

地下トンネルの汚染水濃度
4000倍に上昇
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827分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151210/k10010335571000.html  東京電力福島第一原子力発電所で、「ダクト」と呼ばれる地下のトンネルにたまった汚染水の濃度が、1年前のおよそ4000倍に上昇しているのが見つかりました。原因は分かっていませんが、東京電力は外部への流出はないとしています。福島第一原発の「廃棄物処理建屋」と呼ばれる施設の周辺には「ダクト」と呼ばれる地下のトンネルがあ
り、津波で押し寄せた海水などが汚染水となって現在も400から500トンたまっています。この汚染水について、東京電力が今月3日にサンプルを採取して
濃度を測ったところ、1リットル当たり放射性セシウムが482000ベクレル、ータ線という放射線を出す放射性物質50万ベクレルそれぞれ検出され
ました
。これは、去年12月に行った前回の調査と比べて4000倍から4100倍に上昇したことになります。問題のダクトが隣接する「廃棄物処理建屋」
は、溶け落ちた核燃料を冷やしたあとの極めて高い濃度の汚染水を一時的に保管するのに使われていますが、東京電力は、ダクトの水位のほうが高いうえ建屋と
の間は止水されているためこれらの汚染水が流れ込んだ可能性は低いとして、今後、濃度が上昇した原因を調べること
にしています。また、ダクトの周辺の地下水に含まれる放射性物質の濃度に変化はないことから外部への流出はないとしています。


 「ベータ線を出す放射性物質」といえば、ストロンチウムとかトリチウム。一方、セシウムはガンマ線を出す放射性物質。それらが、突然、昨年比4000~4100倍になったというのはいかにも不自然で、政府とTEPCOが何か画策しているのではと思いたくなるのも当然でしょう。
 実は、政府は、さまざまな核種の「内部被ばく」についての研究を、1996年から開始していました。こういう↓具合。

内部被ばく研究は、生物個体による放射性核種の摂取に伴う被ばく線量と影響の両者を同時に正しく評価する必要があり、また摂取した放射性核種の化学形等の
環境因子及び年齢等の生埋学的因子がそれぞれに関与するという特徴を持つ。さらに、それらを明らかにするための研究手法においても、外部被ばく
の手法とは異なったものが必要である。本年次計画の策定に当たっては、核燃料サイクルの本格的稼動、核融合開発研究の進展に伴い、これらに関連し内部被ば
くに特徴的な核種に注目し研究を進める。特定核種として、超ウラン元素、トリチウム、ラドンとその壊変生成物、その他の主要核種(放射性ヨウ素放射性セシウム及び放射性ストロンチウム)を対象としている。」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=10-03-01-13)

 研究主体は「放射線医学総合研究所、農業環境技術研究所、日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)、動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)、(財)環境科学技術研究所等」です。「等」には、研究資金目当ての理系大学・大学院や、そのための技術開発企業・組織もくっついているので、はっきりいって「オールジャパン」。ごみの焼却処理と同じような図式ですが、ごみと違って、この分野には市民の目はほとんど届いていない。なので、反原発派も「政府は内部被ばくを無視している」と叫ぶのですが、そうじゃなくて、内部被ばくの実態は(特に311後の現在は)、誰よりもよく認識しているわけです。国家規模で研究してきたんだから。
 さて、上の文章に続いて、研究対象核種について、ちょっとした説明がありますが、その中でトリチウムを見てみましょう。

2.トリチウムによる内部被ばく研究
 トリチウムは、核融合開発とも関連する重要研究対象核種である。環境に放出されたトリチウムは環境中で種々の化学形で存在する。特に有機形でのトリチウ
ムの体内動態と生物影響等従来不足していた事項を中心により詳細な情報の蓄積を図ることが重要である
。トリチウム内部被ばく研究においては、トリチウムガスが生態系内でトリチウム水あるいは有機形トリチウムに変換され、飲料水、食物、水蒸気として人体に取り込まれるまでの移行経路や移行率をトリチウムの
化学形に着目しながら明らかにする。また、トリチウムの環境中存在形態を明らかにし、特に有機形トリチウムの生体内代謝の特性を明らかにし、さらに、体内動態の年齢依存性あるいは胚や胎児への移行率等についての研究を進め、公衆被ばくにおける線量評価に資する。生物影響に関しては、トリチウムの細胞内存在
形態との関連で、発生分化への影響及び晩発影響等を合めて実験研究を進める。具体的には、(1)「トリチウムの環境での挙動と生体内動態解析並びに内部被ばく線量係数設定のための研究」、(2)「トリチウム内部被ばくによる生物影響に関する研究」についての研究を実施することになっている
。(出典:同上)

 はっきり「核融合発電」に向けた研究だと書いてある。「核融合発電」と聞いてもわからない人が多いかもしれませんが、その研究機関はすでに岐阜県土岐市にあり、このトリチウムを発生させる重水素実験を実施する寸前に来ています。安全など証明されていないからこそ「研究の真っ最中」なのに、核融合研が住民をだまくらかして「これ以上、反対運動はしない」という文書を出させたのは2010年2月、フクイチの一年前という絶妙なタイミングでした。

 (なお、原発や原発関連施設の立地自治体では、常識が通用しない、「ゼニの論理」だけが優先されることを知っとかないと。その代表的例がこれ↓ 自民党だけはやめようー「50年後に生まれた子どもが全部かたわでも、今は原発をやればいい」 )
 彼の息子が現国会議員ということは、日本の有権者のレベルを示しているんですけどね(下着泥棒については独自で検索してください)。高木親子は、戦争犯罪者とともに、日本だけでなく、世界に恥ずべき連中です。 
 
 話を元に戻しますが、フクイチ事故は、これらの内部被ばく研究にとって、またとない研究材料を提供してくれたわけで、福島県の健康調査もこの支店から見直す必要蛾あります。・・・この続きは明日。2015.12.17

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/