立山町のおそろしいがれき説明会 その3

  5月11日の立山町のがれき説明会での質疑応答を録音していたという参加者が文字起こしを送ってくれたので、(ありがとう!)、遅くなりましたが、その前半部分を掲載します。多少編集あり。なお、参加者は挙手し、指名されたら「集落と名前」を言い、1問だけ簡潔な質問をするように、との注意あり。質疑応答は30分弱。赤字は私の感想です。
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Q(男性):この懇談会はもう6回目だと思います。これまで全てに参加してきてようやく発言権を得ました。これまでの感想は質問時間が短かい。住民の意見を十分に反映させることができないと感じた。せっかく1年に1度の懇談会なので納得のいくまで説明、話し合いをさせていただきたいと思っている。質問だが、町政懇談会というのは「町政懇談会条例」というのはあるのかないのか?
A (司会者):条例はありません。なぜか司会自ら回答、誰にもふらず。
Q :ない!? ないのにどうしてこういう町政懇談会をやるのか? 条例があってはじめてできるのではないか?
A (司会者):私が答えてよいのか分かりませんが皆様の声を聞く為にこういった場をセットして多くの方々の意見をお聞きすることが目的でして,当然反対の方もおられますし、幅広い意見を聞き、政策制定の参考にしたい為にこうして開催しております。条例に制定がなくても・・・
A :本来の町政懇談会は「街灯をつけてほしい」「道を広くして欲しい」というような問題を話し合う場と認識していたが、それが今回は大変大きな「ガレキ問題」!これは町政懇談会になじまない。ガレキ問題について話し合うのなら、町政懇談会とは別にガレキ問題の説明会を設定していただきたい。
本来の町政懇談会の内容がおろそかになってしまう。条例がなくて行うのはおかしい。これまでは県とか、環境省とか、広域地区の方が来るとかいうことはなかった。
A(司会)これまで受けた印象では、反対も賛成も中立もいる。そういった声を聞かせていただく・・・
  (ヤジ)そんなこと聞いてないじゃない!
Q :町政懇談会の中にガレキ問題をもってくること自体がちがうんじゃないか!?
A(町長):町政懇談会と言いながら震災がれき、災害廃棄物に特化した内容になっていることは事実。平日夜に集まっていただいているので、その中で時間がタイトになってしまっていることは理解していただきたい。
Q :理解できないよ。これは町政懇談会と全然ちがいますよ。間違いですよ。
司会者:すみませんが。話は伺いました。時間が限られているものですから次の方に映らせていただきます。(結局、答えず)
Q ::どうして次に行けるんだ!
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Q :じゃあ、今の質問に関連して・・・(以後のQは私です
司会者:どちらの方ですか?
Q :○○の山本です。今の話ですけど,条例もないのにこうして町政懇談会をやってるということは、これは任意の会合ってことになりますよね?任意の会合に、なぜ環境省や県の職員が来るんですか?会の在り方としておかしいと思います。それに、先ほどの富山県の説明って、環境省の文章をそのまま説明しているんでしょ? がれきの受け入れって県同士の同意で進むとある・・・ということは、これは国の政策でしょ?そしたら県が説明するべきで、なぜ立山町長がこういうことやるんですか? しかも条例もないのに。 こういう町政懇談会を開催するのにお金もでてますよね?どっからお金でてるんですか?いくらなんですか? 条例がないのに町政懇談会やってきたこと自体がおかしい。これはきちんと改革して下さい。それから、いつ町政懇談会でガレキ問題を説明するって決まったんですか?聞くと去年から決まってたみたいな話も聞きます。ウワサで聞いたんですが、立山町の就職試験でガレキ問題があったとか?
司会者:時間がなくなるんで・・・
Q :今の質問答えて下さいね。で、質問なんですが,
町議:ちょいと待ってください。私、町議会の副議長なんですが、あなたはこの地区ですか?
Q :○○ですけど。
町議:○○のどこですか?
Q  :なんであんたにそんなこと聞かれなきゃなんないの?あなたはここの司会じゃないでしょ?
町議 :ここの地区か?
Q :ここの地域の人間ですよ!
町議:地区をはっきり言って下さいよ。
Q :今言ったじゃないですか!
町議:あなたさっき説明したときも、本、読んでましたよね?
Q:いいでしょ?それが何か?それどういうことですか?あなた以上によく理解してますよ?
なんであなたがしゃべるの!?司会じゃないでしょ!? (司会に向かって)なんで司会が注意しないの!?
私の質問は、安全な処理と言って8000ベクレルまでならOKということなんですが、廃棄物処理法では「放射性物質及び放射性物質を含んだもの、帯びた者は廃棄物とはみなさい。つまり焼却も埋め立てもできないっていう規定があるんですよ!原子炉規制法の規定なんですね。100bqや8000bqというのは原子炉規制法の基準であって、それを一般廃棄物に当てはめること自体がおかしいんです!これは全世界の常識、放射性物質を含むゴミは燃やしちゃいけないっていうのは常識なんです。それが環境省が突然たっぷり交付金を付けて安全に処理できるって言い出したんです。それにみんなが飛びついていることは、それは地域をダメにしてしまいます!それについて…
 (途中から、後ろの席からしきりに不規則発言が飛び、うるさい…発言者は約四名、すべて「区長」だそうだが、名前は不明
区長:おい、いい加減もうやめろや!
区長:何しとんがよ オラァ。
Q :私の質問は廃棄物処理法違反に、どう答えるんですかということです。答えて下さい。
区長:よそもんが来て何言っとんがよ!?
司会者:申し訳ありませんが、今日は新瀬戸地区の方がこうして来ていただいて、少しでも質問したいということで来ていただいているので、おたくさん○○って言われましたけど、
区長:帰ってもらえ!帰ってもらえ
区長:帰れ!帰れ!
Q :答えてないじゃない。
区長:帰れ!帰れ!
司会者:申し訳ないですが,あなたの地区の方で同じような質問してもらえないでしょうか?
Q :どこで?
司会者:あなた○○なんでしょ?そこの地区の方でまた質問して下さい。せっかく新瀬戸地区の方に少しでも質問してほしいので。
区長:○○でやれ○○で。帰ってもらえ!帰ってもらえ、そんなもん。
区長:司会者!司会者!帰ってもらえ!帰ってもらえ!司会者!
司会者:次の方~
Q:答えは?答えられないの?
司会者:ルール守られない方は退去していただくしか・・・
Q:ルール!? ルール守ってるじゃないですか?
区長:帰れよ! 帰れよ!
司会者:私が指名してから、あの~いろんなこと言って下さいと・・・次の方お願いします!
Q :答えないの?
町長: あの、最後に言わして下さい。今高嶋議員さんがおっしゃったのは、今後そちらの地区で25日に予定しておりますので,そちらのほうでしっかり答えさせていただきます。次の方お願いします。
司会者:はい、それでは次の方挙手して下さい.マイクお持ちします。
 (-誰も手を挙げない)-
いらっしゃいませんか?
Q :いや、いるはずよ! 質問したいって言ってたじゃないの。
区長:帰ってもらえ~ 帰ってもらえ~!
 (と、議長が私の席の前に立ち、私につかみかかろうとする。会場しーんと静まりかえる。司会はニヤニヤしながら、止めようとせず)
Q :あなた、なあに!? 私に手出すんですか!? 
区長:帰れ! 帰れ!
高嶋議員:退去していただけますか?
Q :やなこった。(議員、あきらめて席に戻る
司会者:他の方が質問できませんので。
 
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 と、なかなか活発なやりとりでしたが、これで毒気を抜かれたせいか、この日はがれき賛成意見はゼロ。でも、会議終了後、野次を飛ばしていた連中は、私の顔を見るでもなく、ささっと引き上げたりして、行政とのサインプレーを疑いました。まずい意見が出たら、沈黙させろ、との。
 それにしても、おそるべきムラ社会。この保守的な風土が、国民を戦争に駆り立て、原発を容認し、今またがれきを受け入れようとしているわけです。ムラ社会の老ボスをなんとかしないと、無知は愚行をくりかえす。おそらくどこの地域でも似たような背景があるのでは。
そうそう、今日は最後の説明会、さあ、行くぞ! 2012.5.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/