島田のがれき処理、中断

  試験焼却の段階で大きな反対運動が起きている北九州市に比べ、試験焼却でセシウム濃度があがった、という静岡県・島田市では、すんなり本焼却のがれきが持ち込まれ、23日、本格焼却が始まりました。まあ、この首長の背景では、こんな事態になるのも当然ですが。
静岡・島田市へがれき搬出開始 岩手県山田町から10トン
2012/5/18 10:38 (2012/5/18 11:59更新)
  東日本大震災で発生した岩手県山田町のがれき10トンを静岡県島田市に搬出する作業が18日、始まった。鉄道とトラックで輸送し23日に処理施設に搬入、24日に焼却を開始する。震災がれきの本格的な受け入れは、東北と東京都以外では初めて。 静岡、岩手両県の関係者が見守る中、民間業者がショベルカーで木くずをコンテナに積み込み密封。外から空間線量を測り、午前中は約2トンをトラックで運び出した。空間線量は静岡県が示した基準値を下回った。島田市は2月に試験焼却を実施。がれきや焼却灰などの放射性セシウム濃度は、国や県、市が設定した基準をそれぞれ下回り、3月に受け入れを表明した。焼却炉が今月下旬から約1カ月、定期整備で使用できなくなるため、受け入れを一時中断し、整備終了後の6月下旬ごろ再開する。がれきは家庭ごみと混ぜて燃やし、試験焼却したがれきの灰と一緒に、市内の最終処分場に埋める。市が焼却の各段階で放射性物質の濃度などを測定、ホームページなどで結果を公表する。〔共同〕
 ところが、島田市:がれきの焼却中止 コンクリ混入で(2012年5月23日 22時42分)と事態は急展開。今後どうなるか要注目。それにしても、島田では京大工学部の河野氏が、試験焼却後のセシウム濃度上昇について、きちんとした測定結果を発表しているのに島田市の試験焼却前後おける松葉の放射能調査結果について、うまく生かせなかったのか…。
 河野氏:「放射能を含むがれきを、放射性物質を管理できない一般の焼却炉で焼却するという行為は、放射性物質を管理するという点からは、本来絶対に行ってはならないことである」
 そうです。だから廃棄物処理法では放射性物質、およびそれに汚染されたものは対象にしていない=燃してはいけない=のだ。10トンの試験焼却で、周辺のセシウム濃度が約1ベクレル上がったとしたら、1000トンで100ベクレル、2000トンで…となります。また、がれきの線量は総量で示されているわけじゃないから、灰への濃縮率も違ってくる。とにかく、焼却炉は「汚染の拡散装置」であることを忘れないでほしい。ほんと、都知事だの、島田市長だの、その他「みんなの力でがれき処理」の面々他、がれき広域処理の推進者を、殺人未遂か傷害罪、障害致死罪で訴えたいものです。2012.5.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/