福井県も全域でがれき受入れ―原発再稼動だけじゃ済まないのか

 富山の隣、原発銀座をかかえる福井県でも「がれき受入れ」が着々と進行中。北陸でのがれき受け入れは、将来の原発解体ごみの受入れにつながるものですが、がれきキャンペーンの成果か、反原発運動に比べ、反がれきの声はとても少ない。下は本ブログに寄せられたコメント。
 
「助けてください。福井県敦賀市では、住民説明会も終わっており、あとは試験焼却のみです。
福井県高浜町では現在、住民説明会が行われています。
この説明会が終わったら、すぐ、敦賀市と高浜町は協力して試験焼却を行い、ガレキを受け入れることになると思います。ここらの住民は原発立地のため、表立って反対できないのです。
もう福井県は終わりです。福井県民」
 
「福井県高浜町が岩手県大槌町の瓦礫700トン受け入れ表明しました。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/36259.html
福井県はもうダメです。どうしたらいいのでしょう。
福井県は原発再稼動に続き、ガレキ次々受け入れでもうおしまいです。
助けてください。反対の電話をお願いします。福井県大飯郡高浜町 TEL0770-72-1111」
 だまって「おしまい」を受入れることはないでしょう。みなさんもどうぞ声をあげてください。原発再稼動を許した地域なら、がれき焼却による被害のことなどこれっぽっちも考えていないはずだから。
 それにしても、地元住民は、いいかげんに原発・がれき誘致派の「洗脳」から目をさまさないとね。原発立地でよく聞くのは、原発のおかげで、過疎や老齢化、税収不足が解消された、地域が発展した、という言葉ですが、これは幻想に過ぎません。ほんとに発展したのは電力と関連産業で、地元は多額の地域協力金と引き換えにリスクを受け入れているだけ。生活は一見、豊かになったかもしれませんが、住民は、実は、その地域で安全におだやかに暮らす権利を失っているのです。
 
 フクイチは、原発事故がおきた時、政府や電力会社がどう反応するかをはっきりと証明しています。広範な住民はふるさとを追われ、電力会社は何の責任もとらず、政府は被害を補償するどころか、あの手この手で汚染地に住民を引き戻そうとする。おまけに、事故は終息していない。事故が起きることを前提に計算すると、原発もがれき広域処理も経済的優位性なんかまったくないのはあまりにも明らか。だから、原発立地の人こそ、はっきり「ノー」を言うべきなのです。他の誰よりも、地域のみなさんの「ノー」が、原発再稼動やがれき受入れを拒否する力があるのですが。2012.8.31

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/