1月初め、アメリカの西海岸に、体の一部が結合した灰色クジラの赤ちゃんの死体が流れ着いたそうです。体は腹部で結合しており、頭も尾も二つありました。
「シャム双生児」の出現率はそれほどめずらしくなく、20万出生あたりひと組といわれていますが、灰色クジラの結合体が発見されたのは初めてとのこと(自然歴史博物館でも前例は見つけられなかったとのこと)。出現率だけを見ると、百万人に一人と言われている子供の甲状腺がんの方がはるかに珍しいわけです(もちろん、311以後は数万人に一人でしょうが、政府は認めようとしていません)。
このニュースは、いろんなメディアが一斉にとりあげています。発見場所などは統一していませんが、ハフィントンポストが紹介した動画(FB投稿した)には、場所はメキシコの Ojo de Liebreとあります。動画はこちら↓http://www.huffingtonpost.co.uk/2014/01/07/conjoined-siamese-gray-whale-twins-video-pictures_n_4555357.html
体長は約2.1メートル。普通の灰色クジラの赤ちゃんは出生時には3.6~4.8メートルにもなるので、未熟児だったのではないかと指摘する専門家もいるそう(成長すると14メートル前後になる。the Marine Mammal Centre )。灰色クジラは1900年には乱獲によって、いったん絶滅しかけました。1973年に絶滅危惧種に指定された後、数が回復したため1994年に指定を取り消されていますが、今、生き残っているのは世界に26,000頭前後しかいません。
灰色クジラは回遊性で、北極圏の冷たい海からバハ・カリフォルニアの浅い海(ラグーン)を行き来していますが、今年、その南下頭数が激増していることも報告されています。2010年には38頭しか目撃されなかったのが、昨年12月は182、今年の同時期は364がカウントされています。このカウントは、12月から5月までボランティアが24時間態勢で観測しているそう。また研究者はクジラ個体を識別し、北極圏から日本まで追跡調査を続けていますが、その整体はまだ謎に包まれているらしい。
「個体の中には、日本や韓国、中国に行くものもいます。彼らがどこに行き、何をしているのか、私たちはまだわかっていません」。
研究者は口に出しませんが、このクジラの赤ちゃんと放射能の影響を結びつけないわけにはゆきません。去年、西海岸では「溶けたヒトデ」や、魚類の大量死、異常行動が何回も話題になりました。今年になって、西海岸の「サーファーズ・ビーチ」の線量が5倍にもなったという動画detected at
Surfer’s Beachがきっかけで、政府も(いやいや)調査を始めています。
フクシマは海を殺しつつあるのですね。2013.1.9
(参考記事)
http://www.nmfs.noaa.gov/stories/2012/10/10_17_12gray_whale_mmpa_science.html
http://www.latimes.com/local/la-me-gray-whales-20140107,0,7984818.story#ixzz2prBuG1hL