森林火災、やはり線量は上がっていた!福島県、メディアのウソばれる

 浪江町の森林火災で、セシウムの線量が上昇していたことを、福島県がようやく「白状」しました。産官学による「火消し」作戦の失敗が証明されたわけですが、この記事は地方版、しかも有料(こういう重大な記事さえ有料ー毎日新聞のせこさ)、また、火災によって発生したPM2.5はかなり長期間、大気中を漂うので、引き続き注意が必要です・・・どうぞ拡散をお願いします。

 

浪江・十万山の山林火災 放射性セシウム3~9倍に上昇/福島

会員限定有料記事 毎日新聞2017510日 地方版 福島県

https://mainichi.jp/articles/20170510/ddl/k07/040/020000c

東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域に指定されている浪江町井手の十万山で起きた山林火災で、県は9日、周辺3カ所で8日測定した大気中を浮遊するちりの放射性セシウム137の濃度が前日の約3~9倍に上がったと発表した。 県放射線監視室によると、浪江町井手のやすらぎ荘が1立方メートルあたり3・59ミ…

 とりあえずここまででアップしときます。後からまた追加します。2017.5.11

・・・で、追加。福島県放射線監視室は、この森林火災発生以来、毎日報告を出していましたが、その第9報に決定的なことが記されていたのです。

林野火災現場周辺の環境放射線モニタリング状況等について(第9報)

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/215419.pdf

一方で、十万山近傍での大気浮遊じん(ダスト)のセシウム137の測定結果は、1.357.63 mBq/m3の範囲であり、この原因については、現時点で判断することはできませんが、今回の山火事の特殊性である落葉の堆積層への火の浸透に加え、ヘリの運行にも支障を来すような西寄りの強い風が終日観測されていることなどにより、測定地点の周辺の土ぼこりや焼却灰の舞い上がりの影響も否定できません。今般のダストについて組成成分の詳細調査を実施するほか、林野庁等が動態調査の実施に向けた調整を進めており、これらの調査結果や専門家の意見も参考にしながら影響を評価してまいります

 

 明記こそしいませんが、「この原因については」との文言から、この測定結果が異常に高いこと、関係者はその原因解明が必要だと考えていることがわかります。ちなみに、測定結果は地図とグラフにもはっきり示されていました(登山口付近が異常に高い)。

 ……ところがっ! 現在、この9報は「お探しのページを見つけることができませんでした」なのです。第1~第9までどこを探しても出て来ない。代わりに出てくる第10報は、お定まりの「変動はない」との中身。

 私たちはフクイチで、ある教訓を学びました。

 「原発事故など、深刻な公害が起きると、責任を問われる立場にある人間・組織は一致団結して事実隠蔽に走る」という公式があることです。その公式の正しさがまたもや証明された形ですが、今後のこともあるし、行政機関が、公式発表を隠蔽するという悪習を許してはなりません。特に福島県に住む人々にとって、正しい情報の入手は死活問題です。たくさんの方が福島県に電話し、これらの情報を公開するよう求めてほしいと思います。福島県庁の連絡先はこちら↓

福島県庁 代表 Tel:024-521-1111 E-mail:kouho@pref.fukushima.lg.jp

2017.5.11

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/