桐生市、東京のごみを燃やす

みなさんの市町村が、他市のごみや産廃を引き受けて燃やすとしたら、、どう思われますか?

 

東京のごみ、群馬県で燃やします 全国初の取り組み

有料記事 長田寿夫 20199211544

 群馬県桐生市は10月から、市内の焼却施設で東京都立川市の事業系一般ごみを受け入れ処理する。立川市など自治体の事業系一般ごみ回収を請け負う廃棄物処理業の「オリックス資源循環」(埼玉県寄居町)と18日、桐生市が協定を結んだ。ごみ減少で施設に生じた余力を活用したい市と、炉の故障に備え自社施設に余力を残したい同社の利害が一致した。

市によると、民間事業者を介し自治体が区域外の一般ごみを受け入れるのは全国で初めてという。桐生市新里町野にある市清掃センターの焼却施設は、同市とみどり市伊勢崎市赤堀の一般ごみを処理している。年間10万6500トンの処理能力に対し、2018年度の焼却量は6万2千トンで、稼働率は60%弱にとどまる。センターは現在、3基の焼却炉のうち点検中の1基を除く2基を運転させている。だが、焼却量が年6万3千トンを下回ると、1基のみの運転となり、隣接する新里温水プール(カリビアンビーチ)の熱源や、施設で使う電力の安定供給ができなくなる恐れがある。「現在はぎりぎりの状態」(センター)という。一方、寄居町にあるオリックス

 桐生市は、2012~の「震災がれき焼却」の時も、「放射性物質の拡散」を懸念する人々の反対にもかかわらず、焼却を実行した自治体のひとつ。

 この件では、少なくとも以下の問題をクリアする必要がありますが、記者はそんなことなど何も書いていない;

 ①まず、桐生市のごみ処理施設は、ごみの発生量を適正に見積もっていなかったこと→そのためごみ量が激減した。

 ②次に、特定の業者とごみ処理の協定を結び、ごみの供給を受けることについて、同市は廃棄物処理計画に盛り込んでいなかったはず→普通、そんなことなど書けませんから。で、廃棄物処理法違反です。

 ③市は上記の件、特に「合法性」について議会や市民に説明し、その同意を得たのか→「全国初」の事例は、だいたい合法性など無視して強行されます

 ④オ社は横田基地を抱える立川市の廃棄物処理を請け負っており、汚染された基地ごみが入りこんでいる可能性が高い→米軍基地はもっとも汚染された土地です。そこから出てくる廃棄部tもまた汚染度が高い

 

 本来なら、ごみ量が減ったことを歓迎し、焼却炉の稼働をなるべく少なくして汚染を減らすのが「地方自治の本旨」ですが、桐生市が「ごみ量を確保してごみプールの熱源確保」を優先。議会のチェック機能も働いていないようです。がれき焼却の時も、焼却に反対したママ議員に対し、行政も議会も激しい攻撃を加えたことを思い出しました。

以下 http://wonderful-ww.jugem.jp/?day=20120530から一部。

汚染地域の人の血、ほしいですか…市議つぶやき

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120526-OYT1T00190.htm

2012年5月26日12時10分  読売新聞 群馬県桐生市の庭山由紀市議(43)(2期、無会派)が25日、市役所本庁舎前に献血車が止まっているのを見て、簡易投稿サイト「ツイッター」で「放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか」などとつぶやき、市に苦情の電話やメールが殺到したことが分かった。市議会事務局が同日、明らかにした。同事務局などに午後1時10分~同5時15分の間に「こんな人を議員にしていいのか」「被災者に対する差別発言だ」などの苦情電話が64件、メールが117件、全国から寄せられた。謝罪や辞職を求めるものもあったという。騒動を受け、市議会は急きょ各派代表者会議を開いた。庭山市議は自らの発言であることを認め「私は(桐生市が)放射能汚染地域だと思っている」などと述べた。市議会は28日以降に再び各派代表者会議を開く。桐生市の庁舎前では年4回、県赤十字血液センターによる献血を行っている。

 

 で、この件やらあの件やらに関し、桐生市議会では以下のような発言が飛び交った、と。これも上のブログから一部書き出し。ここも表現の自由や集会の自由などを認めない風土のようですね・・・がれきを受け入れる地域の、こういう類似性は恐ろしいほど。
佐藤光好議員:過去にも問責決議もあるが、市民から辞職勧告すべきと声がある。
園田議員:大変な問題を起こした。問責・懲罰等3冠を達成と過去に茶化している。桐生市や議会に対して大変不快な事をされた。許せない。市民からも厳しい対処を望む声がある。今までとは違う厳しく。
周東議員:土曜に徳島から電話があった。桐生市議会としてどう対応するのか?冷静に対処していきたい。桐生市内からも電話があった。人間性を疑う。いろいろな抗議の声があった。
小滝議員:市民の名誉を傷つけている。議員としてあるまじき行為。
相沢議員:解職や直ちに辞職させれないのかと言う声があった。議会が開かれていないので、出来ない。やれることをやるべき。自らが反省して取るべき態度を取るべきだ。
相沢議員:6月議会で厳正なる対処を!
小滝議員:議会として抗議文を出したらどうか?
佐藤議員:重大な決議をすべきだ
園田議員:本会議が6月8日から10日間ある。抗議文など出すべきである。懲罰をすべき。
周東議員:徳島・茨城、全国から苦情が来ている。確りやるべきである。
相沢議員:今できることなど議会の意思を示す。出来ることを実行すべきだ。
荒木議長:議会としての対応 議会としての決定 議会としての声明 議会としての記者発表など…相沢議員:放射能汚染地域についての確認をすべき。
周藤議員:先日の瓦礫の受け入れに対し、座り込み等して警察に注意され、警察に移動されていた。これは問題だ。
相沢議員:お面をかぶっていた人がいた。脱いだら庭山だった。この件は、今後問題にして欲しい。

佐藤議員:庭山議員であったら問題である。
 「放射能汚染地域」に指定されている事実さえ知らないお方がいて驚かされますが、議員が知らないくらいだから、一般市民はもっと知らないでしょう。桐生は今、放射能汚染対処特措法にもとづいて汚染状況を調査中で、今後、除染作業を始めようというところ。推進側は、その前になんとか試験焼却を済ませ、どさくさにまぎれて受け入れさせよという魂胆らしい。悪質です。
 焼却炉は、放射能を拡散し、濃縮する施設です。でも今、そこには放射能管理の専門家はおらず、これは、試験焼却は「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」に違反します。また、焼却炉の労働者をどうやって被爆から守るのか、そういう配慮もゼロで、さまざまな労働法に違反しています(なのに労働団体が賛成しているのはふしぎ)。
 それから、献血に関する庭山議員の指摘は当たり前です。私も、以前と同じように献血が行われていることを初めて知りましたが、これは非常に軽率、不適当。もともと輸血は感染の危険性が高く、過去に放射線治療を受けた人は、一生献血でません。尿に放射能が出ていれば、血液も汚染されていることになり、原発労働者に至っては自己貯血が勧められているくらいです。だから、広い範囲で血液と尿検査を行って、血液の安全性を確認しない限り、献血はやってはいけません。2012.5.30

 

 庭山議員はその後、桐生市を離れ、安全に暮らしています。そして、当時、彼女を狂ったように攻め立てた人々の多くは、任務を完了したのか沈黙し、FBもTwitterも当時の「悪口」が残っているだけ。「がれき問題」のウソも残ったままですけどね。

2019.9.22 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/