兵庫県、産廃反対住民を威嚇

 兵庫県、西有年産廃問題の続き。

 この件では正式に情報公開した「知事協議記録」をめぐり、県庁側が元文書を破棄、ニセ文書を出すなど「森友事件」顔負けの展開になっています。ところが、つい先日、それ以上にびっくりするような情報がはいりました。

一人だけ、部屋に入れようとしなかった

 まず前記事兵庫県、産廃業者の違法伐採を容認 (03/28)ではこう書きました。

★一番腹が立ったのが、市民が『県側が申し出た意見交換』に乗ったこと。知ってれば止めたけど、何の連絡もなかった。この手の話し合いは、事業者側が自分たちの都合を一方的に押し付ける場になることが多く、反対住民にとってはマイナスにしかなりません。それどころか、こんな席に出ると、必ず「住民の納得が得られた」と報告されるのです…

 ところが当日、この団体、「赤穂市民の会」が県民局に行くと、副会長氏だけ、部屋に通されなかったとのこと。この副会長氏は会見に反対したことが伝わっていたのでしょう。県民局職員がドア前に立ちはだかって通そうとしなかったため、副会長氏は50分にわたって抗議したけれど、ついに部屋の中には入れなかったのです。

 この兵庫県職員の態度は、れっきとした地方公務員法違反です。

地方公務員法第13条(平等取扱の原則)

すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、身上、性別、社会的身分若しくは門地によって、又は第16条第5号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によって差別されてはならない。

 常識で考えても違法としかいえない行為、それは「知事の指示」があればこそでしょう。それにしても、排除された仲間を見捨てて入室してしまった他のメンバーは何を考えていたのだか。

 

県が住民を尋問、問題文書の破棄狙う

 もひとつ。兵庫県播磨県民局は、上記「知事協議記録」の破棄を狙って反対団体を脅していたことがわかりました。

 その証拠がこれ↓…絶句です。なお「赤穂の環境を守る会」とは、市民の会とは別の産廃反対グループです。

2020.03.27 赤穂の環境を守る会に説明いただきたい事項

令和元年1212日に県庁記者クラブ及び同月13日に赤穂市記者クラブで貴会が発表、配布した文書や写真は、同年7月17日に、住民団体等が姫路土木事務所職員からファイルを取り上げ、了承なく写真撮影したものと当方は認識しています。住民団体との信頼関係の構築、また個人情報保護の観点等から再発防止策の検討を行う必要があるため、下記の質問等に文書でご回答願います。

                    記

1 令和元年7月17日の行為の現場に貴会会員はいましたか。

2 1の現場に貴会会員がいた場合は該当者の氏名及びその行為の事実関係を教えてください。

3 記者クラブで発表した情報を、いつ、誰から、どのように入手したか、教えてください。

4 貴会がどのような情報を入手し保有しているか、具体的に全ての文書、写真等の内容を教えてください。

5 貴会が当該文書や写真等を会員その他の第三者へ配布した場合、その相手方を教えてください。

6 5以外に、貴会が把握している、当該文書や写真等を保有している者、保管場所があれば教えてください。

7 貴会が保有している当該文書や写真等を廃棄するとともに、貴会が配布した相手方からそれらを全て回収し、廃棄してください。また、その廃棄の結果を教えてください

 「ファイルを取り上げた」? ウソを書くんじゃない! この職員は、私の質問に対し、ごく気楽に「ありますよ」と言い、すぐに当該資料を持ってきてくれたのです。そして、自らそのファイルを開いて説明し、私の質問に答えてくれた。そこでコピーを求めると「それなら公開請求を」というので正式に請求書を出した。でもファイルには名前がなかったので(後でごまかされる場合が多い)、原本確定のため写真を撮ったのです。資料はすでに公開されているし、職員は阻止を求める行動は一切しなかった。

 それに対し、尋問調書まがいの文書に答えろとは公務員による不正要求であり、職権乱用罪です。しかも、その目的が「元文書をすべて回収し、破棄すること」ときては、開いた口がふさがらん。だって、それは公然とした証拠隠滅の要求だから。

 この件に関しては、姫路土木行きを指示したのも、形勢を把握し情報を入手したのも、記者会見を指示したのも山本さんなのよね~なのにその私には何の連絡もせず、兵庫県は、知識がない地元住民にだけ圧力をかけている。これが悪質で姑息な手段かと思うと腹が立ってたまりません。兵庫県庁は「非行」公務員のたまり場か!

 

前記事兵庫県、産廃業者の違法伐採を容認 (03/28) と、森友事件と兵庫県産廃事件の共通点 (03/30) も見てね。

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/