東電が福島食材を大安売り

 英文ニュースで知った驚きの情報です。東電が、東京の本店(本社)で、福島産の食材を、復興支援として売り出し、大盛況だったそう。福島の食材はーー少なくとも浜通りと中通りの一部ではーー生産・流通を制限すべきなのに、それをあざ笑うようなイベント。こんなこと、許される?

食べて支える、福島復興-東電本店で食材販売バザール

2013/06/13
 http://www.shimbun.denki.or.jp/news/local/20130613_01.html
 (写真=本店で行われたバザーには廣瀬社長(右)も販売員として参加した東京電力本店で福島県の食材を販売する「福島復興バザール」が、今月11日に開催された。福島県産のトマトやサクランボ、日本酒、喜多方ラーメンなどが売り場に並び、行列ができるほどの盛況ぶりだった。社員食堂でも福島スペシャルメニュー「食べる豚汁」が同日限定で販売され、好評を博した。食材販売にあたった社員は、「福島県産の食材を食べることで、復興の一助になればと思う。色々な活動を通して復興を支援していきたい」と話していた。

 日本中(世界じゅう)に放射能汚染を広げた下手人が、原発立地県の食材を販売するなんて、犯罪事実を小さく見せるための隠蔽工作です。またこの催しは、福島には「汚染はない」「住み続けていい」と言ってるようなもので、よけい悪質。でも、多くの市民は、「あのTEPCO」に恨み骨髄だし、平日、東京のどまんなかで行われたイベントに、いったいどんな人が「行列を作った」のかと思っていまいます。
 福島県人はなかなかホンネを出さないようですが、多くの人はおそらく、「原発さえなかったら」との思いを押し殺して住み続けているでしょう。政府が彼らを救済する抜本的な手を打とうとしないのは、汚染地に住民をしばりつける「エートス」作戦が発動しているから。そう、「食べて支える」も「除染」も「指定廃棄物焼却」も、目的は「東電救済」なんですけどね。2013.6.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/