日本小児科学会のたまげた「同時接種のススメ」

 「子どもたちの命を救う」、そういうイメージがある小児科の医師たち。実は、彼らは誰よりも熱心な同時接種の推進論者です。http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_1101182.pdf

     日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方

                                                       日本小児科学会
  日本国内においては、2種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされている(①、②)。一方で、諸外国においては、同時接種は一般的に行われている医療行為である(③)。特に乳児期においては、三種混合ワクチン、インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン、結合型肺炎球菌ワクチンなどの重要なワクチン接種が複数回必要である。これらのワクチン接種がようやく可能となった現在、日本の子どもたちをこれらのワクチンで予防できる病気(VPD:
Vaccine Preventable
Diseases
)から確実に守るためには、必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することが重要である。そのためには、日本国内において、同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある。同時接種について現在分かっていることとして以下のことがあげられる(④-⑥)。
  1)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。
  2)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない。
  3)同時接種において接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。
 また、その利点として、以下の事項があげられる。
  1)各ワクチンの接種率が向上する。
  2)子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる。
  3)保護者の経済的、時間的負担が軽減する。
  4)医療者の時間的負担が軽減する。
   以上より、日本小児科学会は、ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える。
   尚、同時接種を行う際、以下の点について留意する必要がある。
   1)複数のワクチンを1つのシリンジに混ぜて接種しない。
   2)皮下接種部位の候補場所として、上腕外側ならびに大腿前外側があげられる。
   3)上腕ならびに大腿の同側の近い部位に接種する際、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも2.5cm以上あける。

 でもこの結論は、米やWHO(=製薬メーカー主導)の主張を日本人向けに書き直しただけで、何の安全性の根拠にもなりません。それは、下の参考文献の見出しからもわかります。

参考文献
(1)厚生労働省:定期(一類疾病)の予防接種実施要領.http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/teiki-yobou/07.html
(2)予防接種ガイドライン等検討委員会 予防接種実施者のための予防接種必携.発行 財団法人予防接種リサーチセンター平成22年度版P46
(3)Plotkin
SA, Orenstein WA, Offit PA.Vaccines, 5th
 Edition,
2008 Saunders Elsevier, Philadelphia, PA

(4)The
National Center for Immunization and Respiratory Diseases, Centers
for Disease Control and Prevention. 11th Edition of
Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Dis
eases
2009 (PinkBook). 2009 Public Health Foundation, Washington, DC

(5)King
GE, Hadler SC. Simultaneous Administration of childhood vaccine; an
important health public policy that is safe and efficacious. Pediatr
Infect Dis J 1994;13: 394-407.

(6)Lewis
M, Ramsey DS, Suomi SJ. Validating current immunization practice with
young infants. Pediatrics 1992;90: 771-773.

 ①②「医師が特に必要と認めるとき」は、良心が感じられないでもない規定ですが、それは現場の医師には伝わっておらず、医師の多くが、誰にでも同時接種を勧めているようです。③は最強ワクチン擁護派の論文。その中でも有名なのがオフィット博士で、彼は「子どもにワクチンを1万本同時接種しても論理的に問題ない」と公言し、世界中から非難をあびた医師です。彼の翻訳本を読みましたが「科学」とは無縁のしょうもないプロパガンダ本でした。④はワクチン最大の旗振り手・CDCのガイドブック。⑤と⑥は今から20年も前のもので古すぎて話にならない。
 「ワクチンの数が多い国ほど幼児死亡率が上昇する」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3170075/(2011)という有名な論文がありますが、日本の医師の不勉強はどうしようもありません。次は5月に大阪他で勉強会をしますが、その時、この論文について説明します。2015.4.1

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/