急げ、「盗電退治」!

  すごいなあ、盗電。市民が電気料金を払わないと電気を止めるくせに、事故の責任をまったくとらなくても、誰にも罰されないなんて。

「東電の対応は不可解」除染費未払いで石原環境相
2013.11.12
13:07
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131112/plc13111213120015-n1.htm
 石原伸晃環境相は12日の閣議後会見で、国が立て替え払いしている除染費用の支払いを東京電力が拒んでいる問題について「東電の対応は不可解。負担は特措法で定められていること」と述べ、強い不快感を示した。除染関連費用は放射性物質汚染対処特措法で東電が負担すると明記されている。環境省は約404億円を請求したが、東電は67億円しか支払っていない。環境省は今月1日、東電の石崎芳行副社長を呼び、早期の支払いや8日までに今後の見通しを文書で回答するよう求めたが、東電は「時間が取れない」などの理由で応じていない。自民、公明両党が11日、放射性物質に汚染された廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理は「費用確保を含め国が万全を期す」などとした第3次提言を安倍晋三首相に提出したことについて「汚染者負担の原則は曲げられない。東電が費用を負担する仕組みは変わらない」と強調した。

  膨大な汚染水は海に垂れ流し、指定廃棄物は空に排出しっぱなし、いずれも回収不可能。これで「ガレキ処理費用」だけ支払うなんて、魂胆抜きでは考えられん。しかも、盗電の汚さは、これにとどまらない。

除染下請けに東電系企業 税金で肩代わり 利益は還流 
2013年11月7日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110702000102.html

 東京電力福島第一原発事故で汚染された地域で国が費用を立て替えて進めている除染事業で、東電の子会社や東電OBが役員を務めるファミリー企業が、下請けとして参入していたことが分かった。政府・与党内では、除染を国費で負担する機運が高まっている。汚染の原因をつくっておきながら除染の責任を十分果たそうとしない東電側に、税金による事業で利益をもたらす構図になっている。 (大野孝志)
 こうした実態は、本紙が、発注者の環境省福島環境再生事務所に情報公開請求して得た資料で判明した。下請け企業の態勢などが記された八市町村分の資料を見ると、元請けはゼネコンだが、うち四つの市町村で東電のファミリー企業が下請けに入っていた。いずれも一次か二次の上位の下請けだった。福島県田村市の除染事業では、発電所保守を主業とする「東電工業」(東京都港区)が道路、山林管理業の「尾瀬林業」(荒川区)が森林をそれぞれ担当していた。両社は東電の100%子会社で、ゼネコンの鹿島を筆頭とする共同企業体(JV)の二次下請けに入っていた。東電工業は川内村の除染でも二次下請けに入っていた。
 両社は今年七月に合併して「東京パワーテクノロジー」(江東区)となり、合併後も、楢葉(ならは)町でゼネコンの前田建設JVの一次下請けに入り、除染作業をしていた。放射線測定も来年三月まで契約している。また、東電OBが役員を務める保守管理業「アトックス」(中央区)も、楢葉町と川俣町で一次下請けとして放射線測定を担当していた。同社は全国の原発内に事務所があり、福島第一の事故収束作業もしている。
 除染で国が元請けと契約した金額は、四市町村で計六百三十九億円。ファミリー企業にいくら流れているかについては、各社とも明らかにしなかった。総額数兆円にのぼるとみられる除染費用をめぐっては、復興予算で肩代わりしている国に対し、東電は返済を拒否。与党内では、今後の事業に関しては国費で進める案も検討されている。発注者の福島環境再生事務所は、本紙の取材に対し、「暴力団や反社会的勢力との契約は認めていないが、それ以外は民間同士の契約なので、特定企業の排除を指示することはできない」と答えた。
 <東京電力の話> 東電グループとして住民の一日も早い帰還、安心につながる除染に尽力している。人的、技術的に展開することは重要な使命だ。
 <東京パワーテクノロジーの話> 今後も引き続き「福島復興」に貢献できるよう、東電グループの一員として除染に取り組む。
 <アトックスの話> 放射線管理の専門知識と経験で「福島復興」の役に立ちたい。復興への参画は、雇用維持の点でも重要だ。
 <元請けのゼネコン各社の話> 個別の取引内容なので、回答は差し控えたい。

 なんというマッチポンプ。案の定、「復興」「帰還」「絆」が、盗電とゼネコンをうるおすしくみに化していることがわかる。
 ここで得た収入(濡れ手に粟)が政治家への口利き料に化け、自公が一斉に「公費負担」を言い出した、と見てもおかしくないのでは? 復興費用に群がるハゲタカたち=原発利権につながっているんだから、とにかく、一刻も早い「盗電退治」が必要だ。このままでは、原発マフィア組織は税金だけを吸い上げた上、最悪の結末(壊滅の始まり)を押し付けるのは決まっているのだから。2013.11.14

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/