市民に除染させるのは違法だよ!

  「市民に除染させるな!」の署名の文面は以下の通りです。
放射性物質の除染作業による被曝から守るため市民に除染作業をさせない事を求める署名


3月11日の東日本大震災による東京電力福島原子力発電所の事故以来、放射能の拡散は私たち市民の健康を脅かしています。この放射能を除去するための除染作業は急がれるところです。 しかし、放射能による健康被害、特に低線量による健康被害の因果関係などが不明のまま、将来への不安を抱え、しかも専門の知識すら持たない私たち一般市民が除染作業を行うべきではないと考えます。 それらの専門分野の方々の指導を受けた除染専門従事者の養成育成を早急に行うことを求めます。 それと共に、低線量による被曝の不安におびえる私たち市民に除染作業をさせない事を求めます。
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本署名は、郡山市長、郡山市宛に提出させていただきます。 取り扱い団体:安全安心を求めて行動する会(福島県郡山市)
yoshie.nemo0713@gmail.com
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 これに、私は下のようなコメントをつけました。
 非常に低線量の放射性物質でも、その被曝はガンのリスクを上げることがわかっています。住民を守るべき自治体が、住民に「除染作業」を強いることは、恥ずべき違憲行為であり、傷害罪ともなりえます。即刻中止を求めます。
 「三行以内」とあったので、やや舌足らずになりました。以下、捕捉します。
 「低線量の放射線でも危険」という論文は山ほどあり、たとえば、アメリカのナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(NAS)」は2005年のリポートで、次のように結論づけています:
、★放射線被曝には閾値(ここまでなら大丈夫という量)はない。
 ★自然由来の放射線にも発がん性がある。人工放射線はそのリスクを増やす
 ★放射線被曝は、ガン以外にも、心臓病や心臓麻痺を起こすこともある。
 ★両親が放射線に被曝すると、生まれた子どもはその被曝の影響を受ける可能性がある。
 なのに、「低線量の被曝と健康被害の関係はまだよくわかっていない」、「ただちに影響は及ぼさない」、果ては「少量なら体にいい」となどと妄言を吐くのが日本の医師・学者・・・なんか間違っている。
 また、行政が、特定有害廃棄物よりさらに有害な「汚染土壌」の処理を、免許もない一般市民に行わせるのは廃棄物処理法に違反。その他、自治法、憲法などいろいろな法令にひっかかる違法性があります。この要請はもっと厳しく書き直したほうがいいかも。2011.12.3
 
(参考:上記NASのリポートはここから全文読めます。ただ、700ページもあり、私は解説記事をいくつか読んだだけです。)Biological Effects of Ionizing Radiation report on “Health Risks from Exposure to Low Levels of Ionizing Radiation”
http://www.nap.edu/openbook.php?isbn=030909156X

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/