学者の戯言「正しく怖がれ」とは?

 ここに至って、まだ人心を惑わすことを言っている人がいるんですね。長崎大の山下医師。
 福島で「さしせまった危険はない」と述べ、まともな人々から総スカンを食っている人物ですが、国・医学界には重要なのでしょう。下は医師や医学関係者のサイト、「MTPro」の記事です。



「放射線障害グレーゾーンへの懸念は復興の足かせ」長崎大・山下氏
NASHIMシンポジウムで「正しく怖がろう」と呼びかけ
 都で東日本大震災復興支援第1回シンポジウムを開催した。チェルノブイリ原発事故後20年間,現地で医療支援活動や健康影響調査に携わってきた長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一氏(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)は,同原発事故による放射性ヨウ素と小児甲状腺がん発症との関連性が同調査から明らかになった唯一の健康被害であると断言。一方,半減期30年の放射性セシウムや100mSv以下の低線量と疾患発症との関連性は証明されておらず「明らかでないグレーゾーンへの懸念は復興の足かせとなる」と同氏は指摘し,風評に惑わされずに「放射線・放射能を正しく理解し,正しく怖がってほしい」と訴えた。[2011年5月24日]http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1105/1105054.html
 あのねえ、「風評に惑わされずに『放射線を正しく理解し、正しく怖がれ」って、まるで「それほど怖くないんだよ~」って言ってるように聞こえるんだけど? 前回、ソ連で患者の治療に当たっている医師らの報告をまとめたリポートを紹介しましたが、そのチェルノブイリの結果、「死亡約百万」という論に、彼はどう反論するのでしょうか。
 こういう猫だましを信じたい人がいるのも事実です。嫌なことはなるべく考えたくないし、直面なぞしたくないものですから。でも、自分はそれで住んでも、将来の人々はどうなる? 現状を招いたのは私たちだから、やはりそれぞれの責任を追及しなければと思うわけです。何も反対してこなかった責任、そしてウソをついてきた責任、原発企業のお金で推進をPRしてきた責任、「自治」を忘れ、国策に加担してきた責任・・・中でも、「学者」の肩書きで多数をたぶらかした責任は一番重い。
 彼らの責任をきちんと追及しましょう(具体的にはどうすればいいのかよくわからないけど)。これって戦争責任の追求にも通じるんですが、おっと、これもまだ手がついていないか・・・つくづくいい加減だなあ、日本の社会って。2011.6.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/