子宮頚がんワクチン訴訟、27日に提訴予定

 日本では久方ぶりのワクチン裁判。それも、大型集団訴訟となる予定。

 

子宮頸がんワクチン、64人が国と製薬2社を提訴へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160713-00000008-asahi-soci
朝日新聞デジタル 7月13日(水)0時49分配信
 子宮頸がんワクチン接種後の健康被害を訴える15~22歳の女性64人が27日、国と製薬会社2社に総額9億6千万円の損害賠償を求め、東京、大 阪、名古屋、福岡の4地裁で一斉に提訴することが決まった。子宮頸がんワクチンの薬害訴訟東京弁護団が12日、会見で明らかにした。弁護団によると、女性たちはワクチンを接種した後、失神や歩行障害、視覚障害、記憶障害など多数の症状が出た。適切な医療が受けられなかったり学校に通え なくなったりしたという。海外で重い副作用の報告事例があり、国は健康被害を予見できたにもかかわらず、回避措置を怠ったと主張。製薬2社には製造した責任などを問う。1人あたり少なくとも1500万円の賠償を求めるという。
 集団提訴することを3月に明らかにした時点では、提訴の意思表明をした女性は12人だったが、全国で原告を募ったところ、64人に増えた。症状が重く、提訴に踏み切れなかった人もいるという。今後、追加提訴も予定しているという。被害者らでつくる全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会はこれまで約3200件 の相談を受け、約550人の被害を確認しているという。

 ワクチンは、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」とMSD社の「ガーダシル」。国が2009年と11年に承認し、販売が始まった。厚生労働省 によると、これまでに接種した人は推計で約340万人。今年4月末までに報告された「副作用が疑われる例」は約2900件(うち重症は約1600件)とい う。政府が10年の閣議決定で接種を緊急促進事業に位置づけ、接種費用が全国でほぼ無料になったことから接種者が急増。13年に定期接種にしたが、深刻な被害の訴えが相次ぎ、2カ月後に積極的推奨を中止した。(貞国聖子)

 

 損害賠償を求める民事訴訟です。提訴は7月27日の予定。被害者は当初、「訴訟」は考えておらず、ひたすら「救済」を求めていたのですが、「納得できない」という少数の少女の声に背を押され、HPVワクチン薬害訴訟弁護団が設立されたのです(2016.03.30被害者による提訴方針会見 iwj.co.jp/wj/open/archives/293996。原告が最終的に何人になるか不明ですが、この手の訴訟では原告の数が多いほど戦いは有利になるので、ぜひ「被害の可能性」のある人も参加してほしいものです。以下は弁護団のサイトから。

 

裁判の意義 

 「子宮頸がん予防ワクチン」とのふれこみで接種されたHPVワクチン(サーバリックス・ガーダシル)によって、全身の疼痛、知覚障害、運動障害、記憶障害等の深刻な副作用被害が発生し、全国の多くの被害者が今なお苦しんでいます。

 被害者は、2013年3月に「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」を結成し、多くの方の支援を得て活動し、2015年3月には全面解決要求書を国と企業に提出しています。確かに、これまでに接種の一時停止、副作用被害救済制度の適用の拡大など一定の前進はありました。しかし、真の救済や再発防止にはほど遠い状況にあります。製薬企業2社は、いまだに被害を認めようとせず、接種の積極勧奨再開への働きかけさえ行っています。そこで、訴訟を提起せざるを得ないと決断しました。
 被害者の願いは、将来にわたって医療や生活全般にわたって安心して生きていけるようにすること、また、真相を明らかにして被害をくりかえさないようにすることです。訴訟により国と企業の法的責任を明確にし、それを基盤に真の救済と再発防止を実現していきたいと考えています。
www.hpv-yakugai.net/saiban/

 

 裁判に訴えないと「再発防止」できないというのは、ほんとはおかしい。司法も含めたこの国の体制が、人権を無視しているという意味だから、事業主体である自治体と、実際に接種した医師も訴えないと、いつまでたっても「ワクチンの闇の構図」は見えないんですけどね。2016.7.14

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/