多分ヤブの中、民間のガレキ処理

 昨日の続きですが、「ガレキ処理特措法」(略略称)は、さっと読むだけでも一時間以上かかります。ところが実際の審議は、一瞬で終わったとか。浜田さんという議員は「瞬間ワザ」と書いていました。http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki/entry-10983873827.html
 2011年08月12日 18時17分26秒 放射能汚染ガレキの処理テーマ:ブログ 本日の参議院本会議は午前10時から。とはいえ、瞬間技に等しく、わずか3分程度で終了した。東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案を採決し、全会一致で可決。



 気をつけておかなければならないのは、この震災ガレキ処理は民間にも委託できること。しかも、廃棄物処理法では厳しく禁じられている「再委託」も、「再々委託」もOK。早い話が、引き受け先があれば、どこだっていいんです。最終処分には台帳作成が義務づけられますが、事業者には報告義務はなく、後から問題がおきても、管理者が「必要な限度において」、「報告を求めることができる」くらい。
 ということで、民間の事業者がガレキ処理を行う場合、市町村以上に実態は見えないと言っていいでしょう(産廃処理も同じですけどね・・・)。汚染が明らかになるのは、周辺住民の健康に異常が表れた後、ということにもなりかねません。それを裂けるには、少なくともコミュニティにガイガー計を常備し、計測を続けないと。(請求すればガイガーカウンターもTEPCOが提供するはずです。)
 ところで、上の議員さんの発言は、こう続きます(意味を変えないように編集)。
 「これからは自治体が費用の心配をせずに、ガレキ処理を民間業者に委託できる」
 「こうした事業は新たな雇用を生み出し、地域経済に重要な役割を果たしている。岩手県で4200人、宮城県で4400人、福島県で260人といった具合だ」
 「福島県が極端に少ないのは、汚染のおそれのあるガレキが多いから」、
 「(汚染ガレキ処理のため)小生の特命チームは、最終的な焼却手段と埋設方法に関して、内外の技術を研究中である。ニーズに適合する技術であれば、国産でも外国産でも積極的に採用すべき」
 国産って、あのねえ、農産物の話じゃないんですけど…。この人の頭には「雇用」と「振興」しかないようですが、それがもたらす環境汚染、健康被害について、ぜひ支持者に指摘してほしいものです。2011.11.14

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/