原発メーカー訴訟

  原発メーカー訴訟が提起されました。原発事故の影響が地球規模で広がるのはチェルノブイリの時からあきらかでしたが、日本は原発は事故を起こさない、たとえ事故が起きても責任は電力会社、というまちがった前提で(まちがっていることを知りつつ)、原発を推進してきたのです。

原発メーカーを提訴 損害賠償 1400人「構造に欠陥」
 2014年1月31日(金)『東京新聞』朝刊 第26面(社会面)
http://ermite.just-size.net/makersosho/140131tyo.jpg
 東京電力福島第一原発1~4号機に構造上の欠陥があることを知りながら放置したなどとして、福島県の住民三十八人を含む国内外の約千四百人が三十日、原子炉メーカーの米ゼネラル・エレクトリック(GE)、東芝、日立製作所の三社に、原告一人あたり百円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原子力損害賠償法(原賠法)は原発事故の賠償責任を電力会社に限定する「責任集中制度」を採り、電力会社以外は責任を負わないと規定しているが、 原告側は原賠法は違憲で無効だとしている。東京のNPO法人「NNAA」(アジア非核行動)を中心に結成した「『原発メーカー訴訟』の会」が参加を呼び掛け、日米韓など三十三カ国の人が応じた。訴えでは、原賠法は憲法の財産権保障に反し、幸福追求権や社会的生存権を根拠とする「原子力の恐怖から免れて生きる権利」も侵害していると主張。その上で「地震や津波は想定内で、老朽化や構造上の欠陥があった」として、 製造物責任法(PL法)などに基づき損害賠償を求めた。 島昭宏弁護団長は会見で『避難者への賠償金には電気料金や税金が充て られているだけ。メーカーは全く責任を問われず、原発輸出で利益を拡大して いる」と訴え、第二次訴訟も検討しているという。三社は「訴状を確認していないのでコメントを差し控える」などとしている。

 日本の法制度では、メーカーの責任を問えないことになっているので、これまで誰もそこに異議を唱えないできました。従って、今回がそこに切り込む初めての訴訟となります。しかし記者会見に集まったメディアはそれほど多くなく、30日、31日の新聞で大きくとりあげられたのは、滋賀県高島町の汚染チップ問題でした。同問題に取り組む市民グループあ、同じ日に告発したからですが、これはメディアが問題の軽重がわかっていなかったわけではなく、汚染チップ事件の方が「安全パイ」だったからでしょう。原発問題は政治に直結しています。
山本も原告なので、なるべく問題を追って行きたいと思います。2014.2.1

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/