南相馬の農業再生は可能?

  南相馬市で農業「再生」へ向けた動きが始まったとのこと。放射性物質は関東にも及んでいるし、セシウムの放出量は実は日本政府発表の二倍位にもなるという報告もあるのに、彼らの努力は実を結ぶでしょうか?
農地再生へ本格作業 南相馬市鹿島区で組合員“一丸”









写真は中通り、白沢村の見事な秋の田(11月9日山本撮影) 

 東日本大震災で津波被害に遭った農地の再生に向け、南相馬市鹿島区の鹿島地域農業復興組合(舘野幸夫組合長)と八沢地域農業復興組合(但野幸一組合長)の除草、がれき撤去作業が本格化している。
 両組合は9月15日に設立。鹿島地域は鹿島、真野、八沢の3地区に分かれており、対象面積は水田約510ヘクタール、畑約65ヘクタール。八沢地域は鹿島、相馬の2地区で水田約374ヘクタール、畑約5ヘクタール。鹿島区の水田は、昭和40年代に1区画30アールに整理されている。海岸から約4キロの国道6号を大津波が超えた場所もある。両組合に約600人が登録した。作業は本年度は草刈りなどの除草、がれき・ごみ除去、側溝の泥上げ、修復作業を行う。この後、被災状況によって(1)除塩後作付け(2)用排水路を整備し作付け(3)区画の再整理―の対応を行う。
 同区海老地区では29日、約30人が作業に当たった。舘野組合長ら男性は、1メートル弱まで生い茂った雑草を草刈り機で刈り取ったほか、女性は刈った草をまとめる作業に追われた。舘野組合長は「また作付けが出来るよう協力して頑張り、復興につなげたい」と話している。
(2011年10月31日 福島民友トピックス)
 
原子力安全委員会が、防災対策の重点区域を半径30キロ圏に拡大すると発表したのは、この翌日のこと。農家の人たちはこの知らせを、どういう思いで受け止めたでしょうか。同地の田畑は海水をかぶって沼地化しており、まず水抜き、土壌改良という大変な作業が必要です。しかも、放射能汚染は決して終わっていない。それに、そこで生産された作物を、消費者は歓迎するでしょうか?
 止めろなんて言えないけれど、なんとかなく「再生」の方向をまちがえていると感じるのは、私だけでしょうか? 他にやり方はないのでしょうか。2011.11.04

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/