北茨城ホットスポット:社名もわからない

 北茨城市のホットスポットの件の追加情報。北茨城市は初めて(おそらく昨日中に)この件をHPにアップしました。http://www.city-kitaibaraki.jp/modules/info/index.php?content_id=716

北茨城市で一時的な高線量が確認された件について
 725日に原子力規制庁から、北茨城市で一時的な高線量が確認されたことについて発表がありました。これは、市と原子力規制庁、日本原子力研究開発機構が、市内の道路を対象として走行サーベイを実施した中で、712920分ごろ、南中郷工業団地の道路上で異常に高い線量率(7マイクロシーベルト毎時)を検出していたことが724日に確認されたというものです。日本原子力研究開発機構が、72516時頃、同工業団地付近の空間線量率の再測定を実施したところ、高い線量は確認されませんでした。原子力規制庁が、この異常なデータの原因について調査したところ、走行サーベイを実施した712920分ごろ、同工業団地内の工場で放射線を用いた非破壊検査を実施していたことが確認されました。走行サーベイ中に検出された高線量は、この非破壊検査によるものと考えられ、725日の再測定で確認されたとおり、現在現場では特段高い放射線量は見られていません。
 こうした発表を受け、市では同工場に対して再発防止に努めるよう指導するとともに、今後の検査は事前に通知するよう求め、検査時に市が周辺の放射線量を測定することを決めました。

 この記事に関するお問合せ先
 市長公室 企画政策課 復興推進室 Tel
0293-43-1111
 内線235・236

 新聞報道と同じ内容で、北茨城市の責任や関与についての説明はゼロ。事業者名も伏せるという不自然さ。非破壊検査の関連団体としては次の三つがありますが、ここからは業者名は発見できませんでした…社団法人日本非破壊検査協会(これは学会系、名簿見当たらず)、社団法人日本非破壊検査工業会 (北茨城市の企業名なし)、一般社団法人日本検査機器工業会

 で、南中郷工業団地のサイトhttp://www.indus.pref.ibaraki.jp/php/img/1_2.jpg を見ると、稼働中の企業はわずか五社。管工とか耐火物関連など、非破壊検査と縁のある企業も入っていますが、検査を行っていた社名は不明。…私の疑問は、さまざまな非破壊検査の手法があるなかで、なぜこれほど強烈な放射線を用いた検査が行われていたのか、ということ。というか、なんとなく「ほんと?」って感じが。

 この事件が事実なら、検査を行っていた作業員や工業団地の職員にも大きな影響があったはず。社名も出さず「これから気をつけます」で済む問題ではありません。また、北茨城市はデータを12日間も伏せていたことについて説明していないのも問題です。

 もちろん、「市と原子力規制庁(環境省)、JAEAの三社でサーベイを行っていた」と、暗に責任転嫁を逃れようとしているけれど、小さい市町村が国家組織と対等に渡り合おうと思ったって、住民の支持がなきゃムリ。それどころか、エネルギーや廃棄物に関し、国家機関と下手な取引しようとすると、最後は地域全体が犠牲になるもんです。大熊町、六ヶ所村、敦賀、みんなそう。最初に原子の火を受け入れた茨城県は、事態がもっと深刻かもしれません。
2013.7.30

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/