北九州の試験焼却でもセシウム行方不明、市認める

  「小倉タイムズ(北九州)のツイッターを見て」という連絡が入りました。
 はいはい。あの、抗議した市民を警察が不当逮捕した、北九州のがれき試験焼却の件ね。で、6月4日のツイートをざっと読むと...静岡県島田市と同じ。やはりセシウムはだだもれでした。北九州市議会の環境建設委員会における質疑で明らかになったようです。
小倉タイムス ‏@timestimes1954
今日(6月4日)の北九州市議会・環境建設委員会で、先日の震災がれき試験焼却の各種測定結果が報告され、震災がれきの放射能濃度のうち、約4万6000ベクレルがどこへ行ったのか把握出来ていないことが分かりました。
https://twitter.com/timestimes1954/status/209541171691794433

小倉タイムス @timestimes1954
 
 日明工場では、8ベクレル/㎏の震災がれき34トンを焼却したので、「入口」が27万2000ベクレルとなり、30ベクレルの飛灰が約8トン出たので、「出口」は24万ベクレル。差し引きで3万2000ベクレルとなり、市当局は「どこに行ったのかは差し控えさせていただきたい」と答弁しました。
ttps://twitter.com/timestimes1954/status/209542547104727042
 差し控えちゃまずいでしょうが。セシウムを99.9%キャッチするって大見得切っておきながら、試験を強行した市には説明責任があります。それに、この8ベクレル/kgというのは、いくらなんでもありえない数値。被災地の放射能調査でさえ、そんな低い数値は出ていませんよ。たとえば、この測定結果一覧。宮城県と岩手県の数値がでています。 
 岩手県沿岸市町村の災害廃棄物の放射能濃度測定結果一覧
 
 ということは、北九州市、まちがいなく何か後ろ暗いことやってますね。気化したセシウムはバグフィルターでは捕らえられないし、私は環境中に出ているのが8割ではないかと思います。だから飛灰の30ベクレルを逆算すると、周辺の人々の健康被害がとても心配。敏感な人はもう影響が出ているかもしれないし、それほど感受性が強くない人も、少し間をおいて、いろいろ影響が出てくる。海外では放射性廃棄物焼却と先天異常の相関性を示した論文がいくつもあります。
 それに、問題が起きたら、その責任はすべて手をあげた市町村に係ってくるのです。がれき広域処理はそれを狙って作られた亡国の法体系なのだ。なお、北九州市は、市民の抗議に答えて、6月8日と9日に説明会を開催しますhttp://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000114740.pdfが、
ここは市民意見を入れるしかないと判断してほしいもんです。2012.6.6

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/