上伊那新焼却炉に地元同意出そろう

  長野県上伊那の水源地に新たな焼却炉ができます。ここでも受け入れに大活躍したのが、区長と連合長。一般市民には反対も多かったはずなのに、いつのまにか押し切られてしまったようで、残念です。

上伊那新ごみ処理施設建設 地元同意書出そろう 

2014-7-23 http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=31876   

 上伊那広域連合が伊那市富県天伯水源付近を候補地に検討している新ごみ中間処理施設建設計画で、候補地のある同市富県桜井区の鹿野一区長は22日、伊那市役所を訪れ、連合側が示していた建設同意依頼に対する同意書を連合長の白鳥孝市長に提出した。これで施設建設の条件となる地元区の同意書が出そろった。連合側は近く地権者説明を始めるなど手続きを進め、2016年度の着工を目指す。
 白鳥連合長は「一つの大きな区切り。いよいよ建設に向けた具体的な動きが始まる。地元の不安を払拭し、立派な施設を造りたい」と述べた。桜井区は地区要望など連合側との協議を経て、21日に1世帯1票の投票を実施。約8割が賛意を示したことから、同意を決めたという。同連合によると、両者で環境保全協定を締結し、建設期間と稼働期間を合わせた33年間に連合側が協力費1億円を支払うことや、農業法人支援や施設周辺の環境整備など地域振興策の推進、次期施設用地の選定について同区と合意形成に至らなかった場合は対象から除くことなどを条件に、協議が成立した。

 連合側は昨年5月に建設同意を申し入れ。同12月上旬までの回答を求めていた。回答時期がずれ込んだことについて鹿野区長は「30年の稼働期間は長く、地域にとって重い話。区民が十分な理解の上で協議を進められるよう、慎重に対応してきた」と説明。連合に対しても「反対を含め、さまざまな意見がある。区として同意はしたが、地域の理解を得ながら慎重に進めてほしい」と述べた。白鳥連合長は「多くの悩みを経て、今回の同意に至ってもらったと思う。諸条件を守ることを約束し、適切に対応していきたい」とした。

 今後は地権者の内諾を得て基本協定を締結し、年内に最終合意となる環境保全協定を締結。16年度の着工、18年度の完成・稼働開始を目指す。同意書を得るのに時間を要したが、「工程などを見直し調整する」(白鳥連合長)として、計画は変更しない

 「立派な(公害)施設を作りたい」という言葉には、ゴミ焼却炉が深刻な郊外施設であるとの認識は感じられません。それに、時の経過とともに「放射能問題」も押し寄せてくるはず。はした金(1億円)と周辺整備、地域振興で、汚染を受け入れるなんて、次世代に顔向けできないのでは。農村部の区や町会は、ほんとに是正が必要です。2014.7.23

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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